全国の通信記事
2026年3月11日号
愛媛 東日本大震災慰霊
【愛媛】東日本大震災の発生から13年を迎えた3月11日、愛媛県管内各地において、震災犠牲者への慰霊と被災地の早期復興を祈念する行脚が営まれた。宇和島市の法円寺(清家静元師)周辺では、僧侶らによる力強い唱題行脚が行われ、地域住民と共に祈りを捧げた。
愛媛県管内では、震災の記憶を風化させず、被災地に寄り添い続ける活動として、毎年この日にあわせて各地で慰霊行脚を継続している。本年も「慰霊と復興祈念」を掲げ、団扇太鼓の音とともに、お題目の声が街中に響き渡った。
今回の行脚では、同寺が運営する立正保育園の園児たちも出発前と到着した際の一読に手を合わせた。住職らは園児に対し、震災の悲劇や命の尊さについて分かりやすく説法を行った。特に「命に合掌」という言葉を掲げ、今ある命の大切さと、他者を思いやる心について語りかけると、園児たちは真剣な表情で耳を傾け、共に手を合わせていた。
参加した僧侶の一人は、「毎年この日に歩くことで、震災の教訓を次世代に繋いでいきたい。子どもたちにも、合掌の心を通じて命の尊さを感じてもらえれば」と、行脚の意義を強調した。
慈悲の行脚は、春の兆しが見え始めた宇和島の街を、静かな祈りの中に包み込んでいた。
島根 いのちといのりの日
【島根】島根県社会教化事業協会(堀江禎正会長)が3月11日に「いのちといのりの日~災害復興支援法要~」を松江市常教寺(坂本教暎住職)で開催した。法要は式衆に社教会理事、修法師会長、青年会長をはじめとする各会会員が出仕、御宝前に申込のご回向の塔婆を建て、参列の寺院檀信徒が焼香をし、災害殉難横死之霊位の供養と被災地復興祈願を勤めた。僧侶檀信徒約20名が参列した。この法要は東日本大震災の翌年から、全国各地の災害物故者の供養と被災地の早期復興を祈って行われ、今年で15回を数える。堀江会長は、災害で亡くなられた方へのご供養とそのご遺族の方、被災地へ復興の願いが届けばとその願いを持って法要を勤めさせて頂いたこと、大切な仏縁に平日に関わらず参列して頂いたことへの感謝を語った。集まった祈願回向料、義援金293,000円は日本赤十字社等に送られた。
2026年2月24日号
愛媛 被爆体験伝承講演
【愛媛】2月24日、愛媛県四国中央市の経王寺(豊岡町大町)において、広島から渡部公友師を講師として迎え、「被爆体験伝承講演」が開催された。日蓮宗愛媛県教師の会が主催した本講演には、僧侶13名、檀信徒10名の計23名が参加。終戦から80年を過ぎ、被爆体験者が減少の一途を辿るなか、語り部としての使命を担う渡部上人の言葉を通じ、参加者は平和への誓いを新たにした。
被爆体験伝承者とは、自らの体験ではなく、被爆者の足跡や体験、そして想いを代弁して伝えるという形で講話を行う。講演では、実際に被爆された上田さんの足跡に基づき、原爆の凄まじい威力と悲惨な被害状況が詳しく述べられた。中学生の時に被爆した当事者の8月6日、7日の行動を丹念に辿り、平和記念館に足を運ぶだけでは決して知ることのできない「生身の体験」を語った。
被爆体験者は本来、自らのつらい記憶を呼び起こすことを忌避し、語りたがらない傾向にある。しかし、渡部上人は、あえてその苦しみをなぞりながら語り続ける。その真摯な話しぶりは、聴講者に「核兵器廃絶と不戦を訴える、魂の警告」として重く響いた。参加者の一人は、「あまりにリアルなお話に、言葉を失った。当事者でなければ分からない悲惨さがそこにはあった」と、沈痛な面持ちで語った。
講演後の意見交換では、平和に向けた具体的な取り組みについて議論が交わされた。教師の会会長八竹成奉師は、単に戦没者を追悼するだけでなく、争いのない世界を目指して努力し続けることが宗教者の責務であると強調。
四国中央の地に蒔かれた平和の種は、参加者一人ひとりの胸中で、不戦の誓いとして深く根を張った。



















