ひとくち説法
2026年4月1日号
ホワイトライ
「クレタ人は皆嘘つきだと、クレタ人が言った」。古代ギリシアの哲学者が示した有名なパラドックスで、考えれば考えるほど頭が混乱してきます。
私たちは、時に正直であり、また時に心の弱さゆえ嘘をつく存在です。ただし、嘘は単純に善悪だけで割り切れるものではありません。「言いたいことが正直に言えず、つい嘘をついてしまった」と悔やむこともありますが、そこに相手を思いやる気持ちがあったのかもしれません。正しいストレートな言葉が相手を傷つけることもあれば、オブラートに包んだ嘘がかえって相手の気持ちや行動を良い方向へ導くこともあります。「嘘も方便」とは、時には嘘が正しい手立てとなる、という意味です。
「自分は信心が弱い」と思いながらも、仏さまに手を合わせる私たち。弱い心を抱えたままでも、南無妙法蓮華経と日々唱える姿があるなら、それで十分だと思います。

2026年3月20日号
心 の 鏡
皆さんは毎日、鏡を見ると思います。特に女性は鏡を見る機会が多いのではないでしょうか。今日の顔色はどうかな…とか。鏡はいろいろなものを映しますが、その鏡にものは存在しません。ただ映っているだけです。これを人間の心に置き換えてみると、私たちの心の鏡に映っているものに対し、ああでもないこうでもないと悩んでいるのが人間だと思います。鏡にはそんな自分が映っているのだと悟ったとき、新たな生き方が見えてくるのではないでしょうか。
その心の鏡を磨くのがお題目です。心の鏡は常に曇っています。つまり人間には、迷いや欲があります。それでもその曇りを一生懸命に磨くと、きれいになって映っていくのがわかります。お題目を唱えることで自分には気がつかない、本当の自分らしさや、自分が知らなかった自分さえも発見できます。どうぞこのお題目をお唱えして、ご精進してください。(兵庫北部布教師会長・五太子貫晃)

2026年3月1日号
いのちの色と音と姿
不思議に思っていることがあります。我々の親は2人ですが、その親にも各2人の親がいます。10代まで遡ると理論上は1024人になります。さらに遡ると、その当時の世界人口をはるかに超えてしまいます。先祖が重複するにしてもそれだけの先祖はどこへ行ってしまったのでしょう。そして人の起源までに遡るとそれは1個の個体になってしまうのです。この世には500種類以上のアミノ酸があるのですが、生物を形作るのは共通の20種類のアミノ酸です。それは起源から現在まで変わりません。人の体を構成する10万種類にも及ぶタンパク質はわずか20種類のアミノ酸の組み合わせで作られます。絵画の場合は赤・青・黄色の3色を組み合わせるだけで素晴らしい作品に変化します。音楽もド~シの7音のみの組み合わせで人を感動させる作品が生まれます。作品の尊さと命の尊さは共通しているような気がします。お題目は7文字で仏の道を示してくださります。(兵庫西部布教師会長・森勝亮)




















