ひとくち説法
2025年5月1日号
たくさんの人の耳に
寒中に唱題修行をしている記事を「日蓮宗新聞」で目にします。私のお寺でも師父の代から、小寒に始まり節分まで唱題行脚を50年以上続けています。師父はお題目を1人でも多くの耳に届けることを目的に始め、私が引き継ぎました。
『涅槃経』に「毒鼓の縁」という言葉があります。毒薬を塗った太鼓を叩くとその音を聞いた人は死んでしまうが、その音が涅槃経であれば三毒(心の悩みや苦しみ)が消滅し救われるという一節です。日蓮聖人はこの言葉を用いて法華経・お題目を聞くだけでもご本仏とご縁が結ばれ救われることに繋がるとし、信仰者には耳に届ける行動を起こす必要性を『教機時国鈔』で説かれました。
1人でも多くの耳にお題目を届けるにはどんな方法があるでしょうか。SNS? YouTube? 僧侶と檀信徒全員で日時や期間を定め、同時多発的に唱題行脚で各自の近所を歩くのはどうでしょう。一層の信行増進に共に励みましょう!(富山県布教師会長・末吉正道)




















