ひとくち説法

2024年9月10日号

49個の餅

仏教では人が亡くなると、その魂は49日間、この世でもあの世でもない中有にあり、7日ごとに冥界の王の裁判を受けると説かれます。
お寺によっては、7日ごとのお塔婆を供養するための七本塔婆の供養をするところがあります。施主が故人の菩提と感謝を込めた供養です。
7日が7回で7×7=49。いわゆる四十九日忌となり、四十九日忌法要を営みます。私の若い頃は四十九日忌法要には施主が必ず49個の餅を供えていました。餅には祝いの日の食べ物、仏神がお食べになる物という考え方があります。亡くなって成仏した故人に、縁起の良い餅を感謝とともに供えたのでしょう。
地味葬が加速している昨今、さまざまな供養ごとが簡略化されてきている感が否めません。
今ある自分は故人・ご先祖さまのおかげと感謝の心を深くして、お彼岸のお墓参りにお出かけ下さい。(山梨3部布教師会長・柏原啓修)

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2024年9月1日号

お札はご神体

昔、親しい僧侶からこんな体験談を聞いた。
「七面大明神御守護」のお札を部屋にお祀りしていたところ、子どもがお札を指差して、「女の人がいる」と言ったそうだ。
お札には文字が書いてあるだけで、幼い子には読むことはできない。また七面大明神が女性のお姿であることも知らない。
それを聞いた僧侶はとても驚き、そして感動した。七面大明神がお札を通して、ご守護くださることに深く感謝し、お札の大切さを実感したそうだ。
その体験談を聞いた私も、改めてご守護されていることやお札の大切さを再認識した。
お札は仏神が宿るご神体である。私たちが仏神を大切にすれば、仏神もまた私たちを大切にしてくださる。普段、何気なく菩提寺や参拝寺院からいただいているお札も、ご神体と思い大切にしてほしい。(山梨県2部布教師会長・橋爪久法)

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