ひとくち説法
2024年11月1日号
ありがとうは有り難う
客がお店の人に暴言を吐いたり嫌がらせをすることを「カスタマーハラスメント」といって、社会問題になっています。
ある先生が小学3年生の生徒に「ありがとうはどんなときに言いますか」と質問しました。生徒は「お店で物を買ったとき」と答えました。皆は驚きました。ありがとうを言うのはお店の人のほうだと思ったからです。先生が「どうして?」と尋ねると、生徒は「お店の人が売ってくれなければ僕は買うことができないから」と答えました。
私たちの周りには、有って当たり前と思っているものが多く存在しています。お店、学校、病院、公共施設、そのほかもろもろ。店が有るから買い物ができますし、病院が有るから病気やけがを治してもらえます。有って当たり前ではなく、たくさんの人の努力や手間、優しさや人情によって支えられており、その状況に有ることは実は極めて「有り難い」ことだと認識したいものです。(静岡県中部布教師会長・山田泰裕)