ひとくち説法
2024年4月20日号
修行の積み重ね
豊かな先進国である日本ですが、子どもの貧困・災害の激甚化・環境問題・少子高齢化・地方の過疎化など日本が直面している社会課題は山積しています。世界に目を移せば紛争・内戦・戦争、貧困、環境、教育などに関する諸問題があります。
『法華経化城喩品』で「無明縁行 行縁識」(無明は行に縁たり 行は識に縁たり)と説かれています。「無明」とは迷いの根本であり、始まりのない始まりから続く迷いの心であり、「行」とは悟りに到達するための行為・修行のことであり、「識」とは物事を見分ける心のはたらきになります。お釈迦さまは、我れに執着して本能のまま一時の感情のおもむくままに起こした誤った行動によってさらに迷い込むのではなく、安穏・安寧に向かう行為・修行を重ね、物事を見極める心の養いを示されております。
できることは限られると思いますが、小さなことを積み重ねる積功累徳に励みましょう。(神奈川3部布教師会長・下津行輝)

2024年4月1日号
塵を払わん、垢を除かん
スギ花粉が猛威を振るう季節になりました。多くの人が花粉症で悩まされています。お寺にくる多くの檀徒さんがマスクをし、服に付いた花粉を落としてから堂内へとあがる姿をよく見かけます。それでも法要中に目をこすり、クシャミをしながらお題目を唱えています。終わってから聞くと皆さん集中できずにイライラしながら手を合わせていたそうです。
お釈迦さまのお弟子の1人に「塵を払わん、垢を除かん」と唱えながら掃除をし、ついには仏さまの智慧を得た人がいました。教えのなかの「塵」と「垢」とは煩悩であり、特に強いのが三毒五欲と説かれます。この三毒五欲のせいで仏にはなれないと『法華経』以前では説かれていました。しかし日蓮聖人は『法華経』を信じて一心にお題目を唱えれば、この煩悩が変化してお釈迦さまと同じになることができるとおっしゃっています。これから先も一緒にお題目をお唱えしましょう。(千葉県東部布教師会長・張田富田)
