ひとくち説法
2023年11月20日号
妙とは蘇生の義なり
人間の細胞は長らく60兆個あるといわれてきましたが、最近の学説では37兆個といわれているそうです。いずれにせよ計り知れない数です。
しかもそれが刻々と入れ替わっていて、胃の粘膜は3日ほど、皮膚は1ヵ月、血液は2~3ヵ月、骨も2~3年で細胞が入れ替わるそうです。
「どうせ私なんか、変わりたくても変われない」と思っていても、自分が気付かない間に細胞は次々と新しく生まれ変わっているのです。
日蓮聖人は「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すはよみがえる義なり」(『法華題目鈔』)とお示しです。
妙とは法華経であり、お題目です。
お題目で何がよみがえるのでしょうか。それは忘れかけていた仏の心、死にかけていた仏の種がよみがえるのです。
お題目に縁のある細胞を増やし、今より素晴らしい新しい自分を目指してみませんか。
(北海道東部布教師会長・森脇智亮)
2023年11月1日号
欲心を減らす
今年も11月1日から2月10日までの寒壱百日の日蓮宗加行所(荒行)が始まりました。この荒行は、自由・生命・自我を鬼子母尊神に預けて行う修行であり、自らの「欲」を減らし、多数の修行僧がともに壱百日を乗り越える行です。
法華経28番目の教え「普賢菩薩勧発品」の中に「少欲知足」、少欲にして足ることを知るとあります。
「欲」とは、何もかも欲しいと思う心。大きな「欲」を持たず、今あることに満足をし、日々の生活を送ることが大切なのです。
食欲・財欲・名誉欲など、人は誰でも他人と比較をし、大欲のままに生きたなら、いさかいが起こり、国と国との欲の張り合いなら、戦争が起こり、多くの大切な命を失うことになるのです。
「南無妙法蓮華経」を唱え、大きな「欲」を少しでも減らし、他人のことを思う心を持って、皆ともに生きていきましょう。(青森県布教師会長・工藤裕雅)