ひとくち説法
2025年1月20日号
世界ぜんたいの幸福
紫金山・アトラス彗星をごぞんじでしょうか。天文界では令和6年の話題の1つでした。この彗星は1年半前に発見され、肉眼でも観測されました。我々がよく知っているハレー彗星とは違って2度と戻ってこないといわれています。
さて今から100年前、この広大な宇宙と鉄道、そして法華経を融合してできた物語があります。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』です。賢治の有名な言葉に「世界ぜんたいが幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」があります。これは日蓮聖人の教えに基づくものです。
昨今は個人の幸福がまず優先され、全体の幸福は二の次になりがちですが、日蓮聖人は「私たちの存在が世界の中の1つで、この世界と切り離すことはできない」とおっしゃられています。
世界情勢が不安定になっている今こそ、お釈迦さまの願いが包み込まれている「法華経」「お題目」によって世界の幸福を祈りましょう。(愛知尾張布教師会長・則武幸嗣)

2025年1月1日号
お勤めの力
たまたま門前の子がお寺に遊びに来たとき、堂内で遊んでいるうちにお寺に興味を持ったようで、私が冗談半分で「朝のお勤めにおいで」と言うと「来たい」との返事でした。子ども会の早朝ラジオ体操が始まる時期でしたので「それが終わったらおいで」と伝えるとなんと1人で来るようになりました。2日目にその子のおばあちゃんに会うと「うちの子は車のなかで30分もじっとしていられないけど大丈夫?」と聞かれましたが、お勤め中その子はしっかりと座り、お経本を渡せば少しずつ読み始め、お勤めが終わると分からないことを質問し、私がそれに答えていました。普段より清々しい朝のお勤めでしたが残念ながらラジオ体操の期聞が終わると来なくなりました。
しかしその子がこのことを夏休みの作文にすると、なんと校内で入選。家族で報告とお礼参りをしてくれました。改めてお勤めの大事さ、子どもが周囲を笑顔にするカを感じさせる出来事でした。(愛知三河布教師会長・能勢輝正)




















