ひとくち説法

2025年10月10日号

なんのために生きる

NHKテレビドラマ「あんぱん」。このドラマを象徴する言葉があります。アンパンマンの主題歌に「なんのために生まれて なにをして生きるのか」という皆さんご存じの一節です。ある恩師から「人はすべてに生かされているご恩を知り、その恩に報いるために生きなさい。人が働くとは世の中に恩をお返しすることだ」との教訓をいただきました。本来仕事というのは、何か人びとのためになることをして、その対価としてお金をいただくものです。しかし今は、仕事=お金で、楽をしてお金を稼ぐことが目的となり、いま問題の高齢者を狙う詐欺の電話やメール、究極は直接、家や店に押し入り危害を加えお金を奪う身勝手な若者の増加です。
日蓮聖人のご遺文『開目抄』に「仏弟子は必ず四恩をしって知恩報恩をほうずべし」とのお言葉が。四恩の1つである一切衆生(すべての生きるもの)の恩を深く心に刻み、行動しましょう。(大阪府和泉布教師会長・藤本静潤)

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2025年10月1日号

虫 の 声

鳴く虫は、35℃以上だったり、15℃以下になると鳴かなくなるとされています。温度が高い時は鳴き声のテンポが速く、気温が低い時はスローテンポになるそうです。
古来、日本には「虫の音」を風流だと感じる文化があり、日本人の暮らしと切っても切れない関係にありました。日本人は虫の鳴き声を「声」として認識しているといわれています。自然の音を言葉として認識していることから、日本人にとって虫は音ではなく声を出しているように聞こえるそうで、自然の声を聞くことができるのは、日本人独自のアイデンティティーというわけです。
「一寸の虫にも五分の魂」ということわざがあります。仏教では、生きとし生けるものすべてにいのちの尊さがあると説かれています。すべてに八百万の神が宿っていると信じ、自然と共鳴する「アミニズム文化」、森羅万象を尊ぶ自然共生の精神が根付いているからなのでしょう。

(大阪市布教師会長・松井英行)

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2025年9月10日号

神話といのち

京都府北部には、多くの伝説が遺っています。日本三景の1つとされる宮津市の天橋立は、海に長い砂浜ができ、その上に数千本の松が生える景勝地で、自然がもたらす現象から神話が伝わっています。
伊射奈岐大神と伊射奈美大神が天に通うために架けた「天浮橋」が天橋立になりました。また上空から見ると龍が天に昇る姿に見え、龍神が住む場所ともいわれ、周りには多くの神社仏閣が存在し、たくさんの人が信仰を深め、伝説が生まれたといわれます。
古来、人びとは海を愛し、海からいのちをいただいて生活をしてきました。神話や伝説は「いのち」や信仰をもたらす、先人たちの教えであるともいえます。天橋立以外にも、全国には神話伝説がたくさんあります。そのすべてが「いのち」に関わり、そして信仰・合掌へつながるのではないでしょうか。(京都府2部布教師会長・若園純永)

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