ひとくち説法
2026年2月20日号
菩薩の人
中村哲さんという医師をご存知でしょうか。私は先日、初めてテレビを見て知りました。アフガニスタンの戦乱中に36年にわたり人道支援を続けた人です。
中村さんは、干ばつが続くなかで水源地の確保や1600本以上の井戸を掘削したり、25㌔にわたる用水路を建設し砂漠化した大地に緑を巡らせたことで、60万人以上の命を救いました。しかし令和元年に何者かによって銃殺されてしまいました。医師という領域を超えて、困っている人びとにとって、必要なものが何なのかを考え実行した人。殺されてもおかしくない状況のなかでの行動。自分より、まずは相手を思う気持ち。そして何よりも1人でも多くの命を救いたいと願う強い思い。中村さんの一生を見て真の菩薩行とは何なのかを考えさせられました。「人が生まれて死んでいく。その尊さは日本人もアフガニスタン人も同じです」。中村さんが残した至言です。(兵庫東部布教師会長・名引常観)

2026年2月1日号
いのちに合掌と身延山
昨年山林の専門家とともに身延山を参拝しました。彼は初めて見る身延山の姿、水の量、雄雄しき杉木立から「こんなにいのちに満ちあふれている山は見たことがない」と言いました。
私たちが普通にながめている風景は、専門家によれば、実は普通ではなかったのです。
日蓮聖人は、いのちが涌き出で、満ちあふれている身延山だからこそ9ヵ年の間、心安く住まいされたのではないでしょうか。
日蓮聖人に始まる身延山学園ですが、その学園歌の冒頭は、
老杉わたる風清く/いのちの真澄める学の庭
です。つまり身延山は、「いのち」を学ぶ信仰の庭です。よって宗門が、「いのちに合掌」に導かれるのは自然なことでした。
お題目の信仰の真実、「いのちに合掌」の本当、そして身延山が推進する共生共栄を感じるために身延山にご参拝下さい。
(和歌山布教師会長・村田龍学)

2026年1月1日号
「継続」で良い年に
新しい年を迎え、心あらたにスタートする人も多いことでしょう。今年こそは〝この目標を〟〝この経験を〟〝これを達成したい〟とスタートすることと思います。私もその1人なのですが新年の志も月日が経つにつれて薄れていくことのなんと多いことか。夏を迎えるころにはすっかり忘れていることも多々ありました。
信心、信仰もそうかもしれません。苦しいことがあると一生懸命に手を合わせお題目を唱えますが、その苦しみの山を越えたら、あの熱心さはどこへやら。手を合わせるのも忘れてしまう人を何人も見てきました。日蓮聖人は「一時的に燃え上がる心で信心するのではなく、水がいつまでも流れて行くような信心をしなさい」と仰られます。
信心も年の初めの目標もスタートダッシュだけではなく、ゆっくりでもよい、少しずつでもよいと心に留めて実行し日々を過ごしましょう。皆さまにとって良き1年でありますように。(奈良県布教師会長・吉田龍永)




















