全国の通信記事
2023年11月28日号
東京北部・研修会で柳家我太楼師匠が講演
【東京北】11月28日、心地よい秋晴れの中、東京都北部布教師会による「教師研修会」並びに広報委員会による「寺子屋」が共同開催で谷中蓮華寺(川俣智弘住職)に於いて開催された。教師24名が参加となり、講師には、落語家の柳家我太楼師匠を迎え、噺家で培ってきた人づき愛「話し上手よりも聞き上手になれ」のテーマで講義を頂いた。開催にあたり川俣智弘上人より、「今日は我太楼師匠の講義と落語を見て頂き、楽しいひと時をお過ごし頂きたいと思います」とご挨拶があった。
講義では、人の話を聞くことの重要性、そこから人との関係性を築くことの大切さを実体験を用いてお話頂き、終始笑いが絶えない講義となった。また、造語ではあるが「六根笑浄」の言葉を大切にされており、「笑いで心も体も満たされることが幸せを感じる瞬間ではないかと思います」と述べられた。印象深い言葉であり大変有意義な時間となった。
講義の後は日蓮聖人御一代記を落語にて披露して頂いた。我太楼師匠の並々ならぬ日蓮聖人のご生涯を学ばれた努力が垣間見れるものであり、大変刺激を受ける内容となっていた。質疑応答では「難しかった点」「どの様な気持ちで日蓮聖人を演じたのか」といった質問に対し我太楼師匠は「セリフを覚えることは勿論ですが、日蓮聖人になりきるといった意識を大切に御一代記をやらさせて頂きました」と大変愛情がこもった御一代記であった。参加した教師からは「自坊で我太楼師匠に日蓮聖人御一代記をお会式等で檀信徒に披露をして貰いたい」といった意見が多く聞かれた。最後に東京都北部布教師会会長新井智顗上人より講師をお務め頂いた柳家我太楼師匠に感謝の念を述べられ閉会となった。
2023年11月6日号
東京北・第39回京浜教区檀信徒研修道場で清澄寺へ
【東京北】令和5年11月6日・7日、一泊二日の日程で「第39回京浜教区檀信徒研修道場」が約50名の檀信徒が参加し、大本山清澄寺にて開催された。
この檀信徒研修道場は京浜教区の7管区の持ち回りで開催されるが、今回は東京都北部宗務所(荒居稔宣所長)が担当した。
開講式では京浜教区長 長亮行 東京都南部宗務所長がお導師を勤められ、ご来賓には京浜教区各宗務所所長ご参席のもと執り行われた。開講式では長亮行教区長より、「檀信徒研修道場は、団参とは違い、研修の道場である事を御理解頂いて、ご修行に励みましょう」と御挨拶された。
開講式後、最初の研修である高座説教が始まった。聴衆より一段高い席に座した僧侶が、焼香・説前回向・呑茶など儀式に則り、淀みない名調子で祖伝(繰り弁)を語る高座説教。今回、講師を勤めて下さったのは日蓮聖人の生まれ故郷でご両親の墓所を護る鴨川市小湊妙蓮寺住職の上村貞雄上人である。上村上人は「日蓮聖人ご誕生」を講題に「今ここに座っていらっしゃる皆様と共に、お題目で世の中をよくしていくことが私たちの使命であり、ここ清澄寺において立教開宗された日蓮聖人が求められたことなのです」と語りかけていた。歴史ある高座説教に檀信徒は熱心に耳を傾けていた。その後、写経の際には、檀信徒一人ひとりが『宝塔偈』を熱心に写経していた。この写経は後日、清澄寺境内の納経塔に納められる。二日目は生憎の雨模様であった為、当初予定をしていた旭が森への登頂を断念し、本堂での朝勤に参列した.朝勤では清澄寺別當 齊藤日敬猊下がお導師をお勤めになられ教師・檀信徒一体となって至心にお題目をお唱えした。祖師堂での朝勤後、齊藤日敬猊下より「ここ清澄寺は、日蓮聖人が始めてお題目をお唱えされた場所であり、即ち、お題目発祥の聖地であります。」と述べられその後、「少欲知足」と書かれた紙を持たれ「法華経に説かれています「少欲知足」少ない欲望で足りることを知らなければならない。私たちは飽食の時代を向えておりますが、この意味を十分にご理解を頂き、今後の法華経を信仰する糧として下さい。本日は早朝より御参詣を賜わり誠に有難う御座います。」とご挨拶された。
その後、閉講式を終えた一行は清澄寺を後にして、日蓮聖人のご両親の御廟所がある鴨川市小湊妙蓮寺へと向った。妙蓮寺ではご住職の上村貞雄上人のもと御開帳が執り行われ、引き続き日蓮聖人ご両親の御廟所をお参りをした。また、上村上人よりご丁寧な縁起説明がありが日蓮聖人のご両親を思う気持ちの大切さが伝わる時間となった。
妙蓮寺を後にした一行は、道の駅でお買い物を楽しみ、その後、昼食会場のオークラアカデミアパークホテルで次年度担当になる東京都東部宗務所(鈴木貫元所長)より謝辞が述べられた。全行程を終えた一行は帰路につき無事円成となった。共に学び精進した、心身共に実りある充実した2日間の研修であった。
2023年2月19日号
東京北 七面大明神例大祭・大荒行堂成満國祷会
【東京北】台東区谷中 本山瑞輪寺(井上日修猊下)に於いて令和5年2月19日に七面大明神例大祭・大荒行堂成満國祷会が厳修され、本年は約3年ぶりに日蓮宗大荒行が開催されたことから加行所を成満した行僧28名が出仕し、コロナウイルス感染症の懸念からマスク着用・アルコール消毒・堂内換気等の感染対策を徹底し参列した檀信徒も約80名以上が参列した。
本年の日蓮宗加行所第参行を成満された稲荷文映上人(東京都妙経寺副住職)が水行導師、修法導師を勤められた、水行式では28名による大迫力の水行を檀信徒は一心に合掌しその様子を見守っていた。引き続き井上日修猊下を法要導師に、更には、稲荷泰雅上人(瑞輪寺執事長)並びに渡邉宝道上人(宝晃寺住職)が副導師をお勤めになられ、行僧の早く力強い読経と、一糸乱れぬ木剣による御祈祷が厳修され、国家の安泰や檀信徒それぞれの御祈願を祈念した。
その後、本年の日蓮宗加行所を成満した出仕行僧を代表し第5行、全堂代表を勤められた阿部龍翔上人(秋田県妙教寺住職)より、「我々は身を粉にして100日間、お釈迦様とのお約束を果たす為、また御祈祷によって皆様にその功徳を分け与えられるよう荒行にて修行をして参りました。今度は皆様が周りの方に功徳を分け与えるお役目を是非ともなさって頂きたいと思います。すべての方々が円満に生活をおくれる秘訣は自らだけではなく、隣の方や近所の方々に瑞輪寺様で御祈祷を受けることを誘うなど、他人の為の思いやりのある行動をとる事、それが菩薩行になるのではかと思います。」とご挨拶された。
結びに井上猊下より「本年は3年ぶりとなる日蓮宗大荒行を成満されました行僧の皆様をお迎えしての七面大明神例大祭・大荒行堂成満國祷会となりました。行僧の皆様には大変御多忙の中、御来山頂きましたこと心から御礼申し上げます。私も60年程前に遠壽院にて二回荒行を成満しております。荒行堂の中堂に『寒水白粥凡骨将死 理懺自悔聖胎自生』が柱にございます。冷たい水を被ってお粥をすすり、自分の身体がまさに死にそうになるまで痩せ衰えていく。そういった状況下の中、初行、再行、参行、四行、五行とそれぞれに大変な修行を重ねられた皆様でございます。檀信徒の皆様方は今日、28名余りの行僧さんから大変有難いお加持を受けられました。必ず皆様方はお加持を受けられたことによってご利益を頂いて、ご自身の幸せを勝ち取ることが出来るはずです。ですがそれには常日頃の御精進、御題目のご修行が大事でございます。益々、御題目のご信仰にご精進頂き、皆様の幸せを掴んで頂きますようにお願いを申し上げます。」と謝辞が述べられ、その後、山内の東京七面山堂内にて行僧による特別祈祷があり、七面大明神例大祭・大國祷会は無事円成した。