全国の通信記事
2016年12月22日号
新潟西 糸魚川大火で檀信徒が甚大な被災
【新潟西】昨年12月22日に発生した糸魚川市大火では、糸魚川市・経王寺(脇村教誠住職)の間近まで火の手が迫ったが、寺の被害は免れた。
火元となった中華料理店は経王寺の裏手にあり、「火の粉が境内まで舞ってきた。火がすぐそこに見えるのにみんな何もできなかった」という。脇村師は御本尊や祖師像を車に載せて万が一に備え、避難勧告が出されたのちにしばらく寺を離れたが、経王寺への延焼はなかった。裏手の火事は当日の昼過ぎに鎮まったが長く燻り続けた。
やがて飛び火が寺周辺の商店街や住宅に燃えうつり、その日の夜にほぼ鎮圧状態となったものの、糸魚川市内で約150棟に被害をもたらす大火となった。火災当日は、脇村師の実兄である小林日元貫首(長岡市・妙法寺住職)も駆けつけ、脇村師は寺族とともに、電気、電話が不通のなか寺で一夜を明かした。
火災発生の翌日から、脇村師は檀信徒の安否と所在確認に回った。23日の時点で確認されているかぎり、経王寺の総代を務める檀徒2軒をはじめ20軒近くが被災、ほとんどが全焼した。脇村師は「寺は被災しませんでしたが、檀信徒の皆さんのお宅に多大な被害。これから寺としても復興に力を尽くしたい」と語った。管区の新潟西部宗務所(近藤玄省所長)でも、被災した檀信徒の復興支援を検討している。
2016年12月18日号
青森県南部地方で星祭り祈祷
【青森】青森県南部地方で古くから伝わる星祭り祈祷会が始まった。12月18日の田子町光明寺(川上洋行住職)を皮切りに、冬至の前日には五戸町妙信寺(田中康勝住職)、冬至には三戸町妙光寺(鳥谷部隆祥住職)、23日の天皇誕生日にはおいらせ町唯円寺(葛原圭静住職)、翌年1月には七戸町一乗寺(鳥谷部隆祥住職)と続き、節分に行われる八戸市妙現寺(秋田暁瑛住職)で一連の星祭り日程を終える。
日蓮宗大荒行堂加行経験のある各僧侶による水行式では、寒風吹きすさぶ中、檀信徒が熱心にお題目を唱えながら水行を見守った。祈祷会では各家各個人の星祭り祈祷札や祈願などの読み上げと共に、厄払いを行った。中には修法師の迫力に圧倒されて泣きだしてしまう乳幼児もいた。
その後の法話では、県内の各僧侶が翌29年の九星や方位、お札やお守りの交換理由などを分かりやすく説明した。毎年熱心に法話内容をメモしている妙信寺信者の川村のぶさんは「毎年、法話を聞くことによって心構えが出来、災いに対する恐れは無くなった。特に今回は符の説明をしていただいたことによって、なぜお札やお守りを交換しなければならないのか理解出来た。来年も良い年になるように一生懸命に唱題修行に励みたい」と話していた。
2016年12月17日号
秋田 檀信徒研修会
【秋田】日蓮宗秋田県伝道会(柴田寛彦会長)主催の檀信徒研修会が12月17日、秋田ゆとり生活創造センター「遊学舎」で開催され、僧侶檀信徒約40名が参加した。
昨今、終活という言葉を目にする機会が増え、メディアでも取り上げられるなど関心が高まっている。そこで今回は、日蓮宗徒として終活をどのように捉え 、考えていくかを学ぶ為に行なわれた。
第1部では、柴田寛彦師(本澄寺住職)を講師に、「千代見草に学ぶ仏教介護と臨終行儀」と題した講演がされ、講義は心性院日遠上人の著作とされる臨終に関する書物「千代見草」を使い、現代社会に照らし合わせながら進められた。
柴田師は身近な事を例として挙げるなど分かり易く解説され、メモを走らせる檀信徒の姿が数多く見られた。
第2部では、檀信徒5、6人ずつに分かれてのグループワークが行なわれた。それぞれのグループには数人の僧侶が交じり、日頃不安に思っていることなど積極的に話し合いが行なわれた。
研修会の最後に、自ら仏となる心の修行として黙唱行が行なわれ、参加者一同、自分自身と向き合う貴重な時間となった。
全日程終了後、参加者からは「今回の研修会を通して、臨終に対する考えを改めさせられる非常にいい機会となった。またグループワークでは自分の悩みを皆で共有出来て本当に良かった。」という声が聞かれ、実り多い研修会となった。