2024年3月13日
東京北 第64回教師研修会
【東京北】令和6年3月13日、東京都北部布教師会主催の第64回教師研修会が谷中経王寺(冠哲史住職)に於いて開催された。
講師には講談師の七代目 一龍斎貞鏡師を迎え「講談師に学ぶ~話し方の心得~」と題してお話を頂戴した。
講談は、僧侶の法語を淵源にもつ日本三大話芸(落語・浪曲・講談)のひとつで、「噺す」落語、「唸る」浪曲に対して、「読む」講談は、かつては講釈とも呼ばれていた。貞鏡師は、落語が「笑い」、浪曲が「泣き」を心とするのに対して、講談はまるで見てきたように語る「嘘」のエッセンスをもっていると語る。話し方の心得について貞鏡師は、講談では、ただ大声で滑舌よく語るばかりではなく、舞楽・能楽の構成形式と同じく「序・破・急」が大事であること、聞き手の反応を気にしすぎないよう、様子を伺いながらゆっくり話すこと、結末は最後まで語らず次に繋がる含みを持たせることが大事だと話す。休憩後、引き続き貞鏡師による日蓮大聖人御一代記を拝聴した。臨場感ある語り口調と貞鏡師の実体験を混ぜつつの講談は、ご生涯をより鮮明にさせ心を奪われていく感覚であった。
なお、開催寺院となった経王寺は本年80遠忌正当の東京大空襲で亡くなられた六代目一龍斎貞山氏の墓所がある。今回の研修会は仏縁を感じる中で、僧侶の法話に役立つ内容をご教示いただき、大変、有意義な講習会となった。