2026年2月24日
愛媛 被爆体験伝承講演
【愛媛】2月24日、愛媛県四国中央市の経王寺(豊岡町大町)において、広島から渡部公友師を講師として迎え、「被爆体験伝承講演」が開催された。日蓮宗愛媛県教師の会が主催した本講演には、僧侶13名、檀信徒10名の計23名が参加。終戦から80年を過ぎ、被爆体験者が減少の一途を辿るなか、語り部としての使命を担う渡部上人の言葉を通じ、参加者は平和への誓いを新たにした。
被爆体験伝承者とは、自らの体験ではなく、被爆者の足跡や体験、そして想いを代弁して伝えるという形で講話を行う。講演では、実際に被爆された新井俊⼀郎さんの足跡に基づき、原爆の凄まじい威力と悲惨な被害状況が詳しく述べられた。中学生の時に被爆した当事者の8月6日、7日の行動を丹念に辿り、平和記念館に足を運ぶだけでは決して知ることのできない「生身の体験」を語った。
被爆体験者は本来、自らのつらい記憶を呼び起こすことを忌避し、語りたがらない傾向にある。しかし、渡部上人は、あえてその苦しみをなぞりながら語り続ける。その真摯な話しぶりは、聴講者に「核兵器廃絶と不戦を訴える、魂の警告」として重く響いた。参加者の一人は、「あまりにリアルなお話に、言葉を失った。当事者でなければ分からない悲惨さがそこにはあった」と、沈痛な面持ちで語った。
講演後の意見交換では、平和に向けた具体的な取り組みについて議論が交わされた。教師の会会長八竹成奉師は、単に戦没者を追悼するだけでなく、争いのない世界を目指して努力し続けることが宗教者の責務であると強調。
四国中央の地に蒔かれた平和の種は、参加者一人ひとりの胸中で、不戦の誓いとして深く根を張った。



















