2026年6月17日
東京東 東京四部布教講習会
【東京東】6月17日、宗務院にて東京四部宗務所主催による『令和8年度日蓮宗東京四部布教講習会』が開催され、およそ50名の教師が参加した。年番は東京都東部宗務所が務め『仏教とAIの接点を探る』をテーマに、石川県羽咋市本山妙成寺貫首の藤井日傳猊下と、アメリカの生成AIスタートアップ企業『オムネキー』の日本法人を設立した加藤貴教営業部長の講演が行われた。
第1部の講演を担当した加藤氏は、初めにAIの歴史と更に技術が加速する未来に関して語り、次に寺院で行うAI活用について説明された。AIに任せられる事として法話の下書きや構成、仏教の難解な言葉から優しい現代語への翻訳、寺報やお知らせの下書き、調べ物や関連する逸話探し、画像やイラストが入ったポスターの作成等を提示し、AI活用で信徒の幅が広がり、事務作業が軽くなる事で信徒と向き合う時間が増えるとメリットを話された。一方でAIは堂々と間違った文章を作成すると注意を促し、最後に必ず人が確認する事が大切だと強調された。また、AIは答えを出せても心は持てない。悲しむ人のそばに居る事、手を握り一緒に祈る事、心から寄り添う事は人にしかできないと語り講演を終えた。
第2部講師の藤井猊下は韓国仏教界にロボット僧侶が誕生したニュースに触れ、AIとは何か、心や智慧、慈悲はあるのかをテーマに話された。そしてAIは情報処理の装置に過ぎず心がある存在ではない、知識の増幅装置であって智慧ではないと解説された。現実の仏教者に必要なのは悟りに近づく修行と他者を救済する利他行であり、これにより『福慧の二修』が達成される。利他行の根底には慈悲の心が必要であるが、AIは慈悲を感受する主体を持たない。共感的な応答や悩みに寄り添う言葉は作れるが、他者の苦を自分の問題として引受け、苦を共にしようという主体がないと説かれた。
閉講式で挨拶された東京東部布教師会の阿部泰雄会長は、急速に進化するAIを恐れる事なく正しく理解し、釈尊や宗祖の教えをより広く伝える力として活していく事を今後も共に考えていきたいと話された。



















