全国の通信記事
2024年5月23日号
千葉南 誕生寺片桐日岳新貫首晋山奉告式
【千葉南】5月23日に鴨川市大本山誕生寺で第85世片桐日岳新貫首の晋山奉告式が開かれ、全国各地より有縁の僧侶檀信徒およそ200名が参列した。
片桐新貫首は昭和22年に天津小湊町(現鴨川市)日澄寺で生まれ、立正大学を卒業の大本山清澄寺への勤務を経て、昭和58年に日澄寺の住職となった。平成元年には大本山誕生寺に勤務、平成9年には日蓮宗宗会議員を務めている。地方行政にも携わり、平成11年に天津小湊町長、平成21年に鴨川市長を務めている。
誕生寺では26年ぶりの新しい住職の就任となり、草鞋脱ぎをした両親閣妙蓮寺(上村貞雄住職)からの晋山行列では近隣住民や観覧者等で大いに賑わい、人力車に乗車しながら歓迎の声に応える片桐貫首の姿を一目見ようと多くの人々が集まった。
同寺祖師堂で営まれた晋山奉告式では、一同に読誦唱題が行われると、片桐貫首の奉告文では、歴代先師の法功が讃えられ、また、第82世本地院日泉上人、第84世石川日命前貫首等の偉業に甚深の敬意を表し、その偉徳を継承して一意専心精進することを誓った。謝辞の中では「誕生寺に参詣する皆さまが気持ちよくお参りされますよう本化再生道場として護持丹精に給仕の誠を尽くして精進してまいります」と述べると堂内は拍手に包まれた。
2024年4月17日号
千葉南 勝浦市本行寺で上総五十座
【千葉南】勝浦市伝統の説法会「上総五十座」が、本行寺(西川佳璋住職)で4月17日から5日間にわたって開催され、延べ500人近い僧侶檀信徒が聴聞に訪れた。
今年の後座上人(説教師)には北海道厚岸町から森脇智亮師(法華寺住職)が迎えられ、5日間の高座説教で日蓮聖人一代記を御入滅まで演じた。森脇師が五十座の高座に上がるのは12年ぶり2回目のこと。
五十座期間中は毎日午後2時の高座説教までの間に、前座・中座が諷誦の読み上げを行い、合間には会場寺院や団参の踊り子達によって踊りが奉納されるなど和やかな時間が過ごされるが、後座上人が登高する段になると一転、堂内が神妙な雰囲気で満ちるのは五十座特有の風情がある。
最終日の21日には、高座説教に先立って結願法要が営まれた。20人の天童稚児が着飾って勝浦商店街を練り歩き、法要中には全員で献花を行った。天童代表が祭文を読み上げると、堂内には温かな拍手が湧き起こった。
本行寺には池上本門寺から分与された日蓮聖人の御真骨(歯)が奉安されているが、五十座の開催に際し特別に公開された。聴聞に訪れた檀信徒らは祖師の御真骨を間近で拝観することができた。
上総五十座は、天文19年(1550)、池上本門寺第11世・日現上人が、本門寺と比企谷妙本寺両本山復興のため勝浦で大布教を行ったことに由来し、現在では市内の7ヵ寺(本行寺・長慶寺・惠日寺・本壽寺・法蓮寺・妙潮寺・津慶寺)が輪番で開催している。来年は長慶寺(小澤玄松住職)で開催される。
2024年4月7日号
千葉南 勝浦市長慶寺で第12回ミュージックフェスタ
【千葉南】勝浦市長慶寺(小澤玄松代務住職)で4月7日、第12回ミュージックフェスタ(青少年音楽振興実行委員会主催)が開催され、約250人が来場した。これまでは文化センター等を利用していたが、今回は本堂前に特設ステージを設営して初めての野外開催となった。
午前10時30分、照川由美子市長の挨拶で開会となり、昼頃には地元を代表して佐藤啓史市議会議長も挨拶に訪れた。イベントに先立って、長慶寺で昨年末発見された徳川家綱・家定の位牌の御開帳も行われた。
メインイベントは小澤住職のエレキギターパフォーマンスに始まり、雅楽、スペイン民族楽器・舞踊・ピアノ・キッズダンス・バンド演奏・歌謡等、あらゆる音楽ジャンルの演奏が午前・午後と2部構成で行われた。勝浦市内の僧侶による雅楽パートでは、珍しい「さくらさくら」が演奏された。境内にはキッチンカーも多数入り大いに賑わった。
小澤住職は勝浦市の文化財である長慶寺を昨秋引継いだばかりで、自身が主催するこのイベントによって、文化財の寺院や地域の活性化、新たに発見された徳川将軍の位牌の周知に繋がればと願っていた。