2024年10月27日
山形 山形市大宝寺で最上稲荷大祭
【山形】10月27日、山形市大宝寺で開催された最上稲荷大祭に、県内唯一の万灯講中「櫻燈會」が万灯を披露した。
大宝寺の境内には最上稲荷を祀ったお堂が昔からあった。しかし今まで目立った年中行事をしていなかったこともあり、同寺住職の新谷宝珠師は「いつかお祭りを開催して、檀信徒には最上稲荷のことを知ってもらい、地域の人たちも大宝寺のこと知ってもらいたい」とかねてより考えていた。
新谷師は櫻燈會として各寺の万灯に参加する中で、櫻燈會会長で天童市妙法寺住職の矢吹栄修師より「いつかなんて言っていたらいつになるかわからない。今年から始めてみたらいい。初めは少人数でも毎年やれば徐々に人は集まってくる。そのときに万灯も披露したらより多くの人がくる」とアドバイスをうけ、大宝寺で最上稲荷大祭を行うことを決意した。
当日は万灯以外にも様々な催しものを企画した。山形名物の芋煮や玉こんにゃくなどの飲食ブース、手のひらヨガや子ども向けのボッチャなど誰でも楽しめる出店を境内に設け、また怪談和尚と名高い三木大雲師を招いて怪談説法をしてもらった。事前に広く告知していたこともあり、多くの人でにぎわった。
万灯行列にも参加者がひしめき合い、太鼓や掛け声が山形の夜の街に大きく響いた。道行く人はスマホやカメラを取り出して撮影したり、手拍子を叩きながら一緒に歩いたり、歩道を埋め尽くすほどの大行列となった。
新谷師は「最初は周囲から理解を得られないところもあったが、結果として多くの人に喜んでもらい、大宝寺や最上稲荷を知ってもらう大きな一歩となった」と満足していた。また参加者や後で話を聞いた町内会の方々も「とても楽しく、驚くようなすごい祭りだった」「来年からは是非、協力したい」との声があがった。