2023年5月21日
宮城・仙台市本山孝勝寺で釈迦堂落慶法要
【宮城】5月21日、仙台市本山孝勝寺(谷川日清貫首)に於いて、教師・檀信徒三百余名が参列する中、釈迦堂落慶大法要が厳修された。
この釈迦堂は、元禄8年(1695年)に仙台藩四代藩主・伊達綱村公が、ご生母・三澤初子殿への報恩感謝と追善供養の志により、初子殿の持仏である一寸八部の釈迦如来像を安置し建立したお堂であり、現在は仙台市登録文化財に指定されている。
三澤初子殿は、この釈迦如来像を常に護持し、伊達家のお家騒動に巻き込まれ幼くして家督を継ぐ事となった綱村公の福寿円満を祈られ、熱心な法華経信仰の拠り所されていた。
綱村公は初子殿亡き後、追慕の念と、この釈迦如来像の功徳を身分を超えて普く及ばすという母君のご遺志の為に、現在の榴岡公園の地に釈迦堂を建立し、京都より桜の苗木千本を取り寄せ、四民遊覧の地として整備された。そして、この御堂を参詣する者や、縁を結ぶ全ての衆生が、孝徳を深め、除災延寿にして、成仏に至る事を願われた。
その後、榴岡の地に建立された釈迦堂は、昭和46年(1971年)に初子殿が帰依し葬られた寺院である本山孝勝寺の境内地に移転された。
谷川日清貫首は、数度の移転や改修、地震による被害によって、老朽化が進んでいた釈迦堂の将来を見据え修繕の必要があると考え、平成30年に釈迦堂奉讃委員会を発足し、復興事業を進めていた。
此の度、全面修復された釈迦堂は、創建当初に使われた杉の木等が再利用され、元禄時代の建築様式を再現し、初子殿の持仏を高さ40センチに拡大した釈迦如来像が安置されている。
長年に渡っての念願であった釈迦堂の復元復興・落慶式を迎えられた谷川日清貫首は式の中で、ご協力ご支援頂いた方々へ心からの御礼を述べられ、「現代に甦った釈迦堂が、これから数百年に渡って、報恩追慕の念と法華経・お題目を伝える御堂として、多くの方々に参拝して頂ける事をご祈念申し上げます」と語られた。