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2023年1月20日号
神奈川3・隆安寺 濱田泰静上人本葬儀
【神奈川3】一月二十日(金)、伊勢原市隆安寺で第四十六世、濱田泰静上人の本葬儀が営まれた。濱田上人は昨年一月二十日に遷化。世寿六十三歳。法号は蓮常院日秀上人。四十名ほどの僧侶・檀信徒が参列した。
濱田上人は昭和三十五年、北海道稚内の一般家庭に生まれた。大学中退後、地元の工務店へ勤めていたが、仏道に導かれ千葉中山法華経寺の門を叩く。
平成二十七年に隆安寺の住職に就任してからは、常に檀信徒の安寧と自坊の発展を考え、前向きに寺務へ邁進。檀信徒のお参りを増やすために年中行事を増やす、共に読経する機会を設けるなどを行った。そして、仲間内で仕事の苦労話をするときでも、表情は明るかったという。
本葬儀の導師は平塚市貞性寺の久保田堯隆住職が務め、管内組寺の僧侶が出座。式の半ば、田中恵紳日蓮宗宗務総長(代読)・隆安寺小松均総代から弔辞が読み上げられた。
弔辞のなかでは、突然の訃報だったため事実を受け止めづらかったことや、「人生計画」と題した濱田上人のメモの中で隆安寺の発展を願う様子が書き留められていたことが紹介された。
さらに、式の終わりでは筆頭総代の濵田晴雄氏・代務住職の上谷泰雅師から謝辞があった。関係者への労いの言葉が投げかけられた後、濱田上人との思い出話が披露され「隆安寺へ新住職を迎えて、上人の理想が少しでも叶うように貢献できたら」という想いが述べられた。
葬儀後、濱田上人の遺骨が厳粛に境内の歴代住職廟所へ納められ、葬送の儀礼は終了となった。
2023年1月17日号
兵庫東 阪神淡路大震災から28年
【兵庫東】青年会は1月17日、神戸市東遊園地公園で行われた「神戸市震災1・17のつどい」の会場と淡路島岩屋漁港で震災犠牲者の慰霊法要を営んだ。
「神戸市震災1・17のつどい」は毎年、震災発生時刻の午前5時46分に慰霊碑のある同公園にて開催される。震災から28年がたち、震災を未経験の世代が増えてきたことから、世代を超えて人や思いを結ぶという願いを込め、約1万本の竹灯籠や紙灯籠を市民らが並べ、「むすぶ」の文字が作られた。公園の一角で青年僧の読経が始まると、ともに手を合わせて慰霊の祈りを捧げようとさまざまな年代の人が集まった。その後、震源地近い淡路島へ移動して慰霊供養を営んだ。参加した会員僧侶は、震災の記憶を風化させないよう供養を続け、次の世代に伝え続けていく役割を改めて心に刻んだ。
同日、明石市の宗務所では釋孝修所長を導師に慰霊法要が営まれ、管内の僧侶檀信徒の犠牲者名簿が読み上げられた。名前を1人ひとり読み上げることは、1人の存在もけして忘れないという意志で、震災未経験世代が増えてきたからこそ、続けていく意義が高まってきた。
静岡中 教師大会
【静岡中】静岡中部宗務所(塚本智秀所長)は一月十七日、静岡市内に於いて、「寺院運営のこれから」と題し令和五年度教師大会を開催した。3年ぶりの対面での開催となり、管内青年会の「和党会」「五明会」に大会の企画、立案、運営を委任し次代教師の育成を図ると共に4名の講師が招かれた。
爪田栄成副長挨拶の後、司会を務める笠井恒明上人によって大会の趣旨説明が行われた。
焼津市上行寺 高塚寿延上人は「イベント開催での苦慮」地域活性の一助となったマルシェのはじめ方や対象者を絞ったワークショップを通じた檀信徒、未信徒へのアプローチを取り上げた。
続いて清水区龍華寺小倉規敬上人による「ペット供養の難題」コロナ禍以前より増え続けるペットの火葬・供養・埋葬の相談への対処や法律上税務上の問題点、「飼う」ことから「共生」する現代の価値観に信仰者としての考えと展望を述べた。
第三講義には富士市法蔵寺白木智馨上人が「御朱印(御朱題)のすすめ」と題し、未信徒への法華経の世界観や諸天善神の解説のきっかけを作った御朱題の工夫や苦労、参加者が自坊で取り組めるノウハウを披露した。
第四講義では富士市妙蓮寺 則武海源上人 が「農業法人の立ち上げ」と題し、総代役員や地域と協力し富士の特産を生み繋がる「地域還元型菩薩行」として自身が発足した富士岳南農場の地域再生の取り組みを解説した。
各講義の参加した教師らによる質疑応答など大会の活況に塚本所長は感謝を述べた。