2025年6月16日
新潟西 佐渡霊跡団体参拝
【新潟西】宗務所は、6月16日から17日にかけて、管内寺院と檀信徒合わせて126名が参加し、1泊2日の佐渡霊跡団体参拝を実施した。
令和4年に計画されていた本行事は、新型コロナウイルスの影響により一度は中止を余儀なくされたが、多くの方々の尽力により再び実現し、3年越しの念願がようやく果たされた。そこで本行事では、日蓮聖人が佐渡で過ごされた生涯の流れに沿って参拝順序を構成し、より深くその足跡を体感できる行程が組まれた。
初日は、雨が降ったり止んだりと不安定な空模様。参加者は各自雨具を携え、参拝へと向かった。最初に参拝した松ヶ崎の本行寺は、龍口法難ののち、日蓮聖人が荒海を越えて佐渡に着岸された記念の地である。近隣には、聖人がその下で一夜を過ごされたと伝わる大木「おけやき」や、小倉地区の御梅堂・題目宝塔が点在し、本行寺とともに宗門史跡に認定されており、宗祖の佐渡での第一歩を今に伝えている。
続いて御梅堂を参拝し、その後、佐渡到着直後に聖人が身を寄せられた根本寺へと向かった。墓地跡の荒れ堂で、雪深い厳冬の中、衣食住にも事欠く日々。「生きて帰れぬかもしれぬ」と語られたほどの過酷な環境の中で、聖人は不退の信仰を貫き、『開目抄』を著述された。参加者は、その不屈の精神を胸に深く刻んだ。
夜は宿泊先にて懇談の席が設けられ、僧俗が語り合いながら、日蓮聖人の教えに改めて向き合う温かなひとときを過ごした。
翌日は雨も上がり、清々しい空気の中で妙照寺から参拝を再開。同寺は令和3年の火災により堂宇を焼失し、現在再建工事の途上にある。上棟式を終えたばかりの本堂を仰ぎ見つつ、大曼荼羅宝塔の前で心を一つにお題目を奉げ、来秋の落慶後に再訪することを誓い合った。
続いて訪れた妙宣寺では、五重塔と杉並木に迎えられ、阿仏房・千日尼夫妻の篤い信仰に思いを馳せながら法味を言上。最後の霊跡・真浦では、赦免を受けて鎌倉へ戻られる聖人が船出された波打ち際に立ち、全員で唱題を行った。海辺の静寂の中で、信仰を貫かれた聖人の御心が、参加者一人ひとりの胸に深く響いた。
新潟県西部宗務所では、今後も僧俗が一体となって歩む信仰活動を通じて、地域におけるお題目の広宣流布と宗門のさらなる発展に邁進していきたい。



















