2025年4月29日
大阪市 第773回 立教開宗慶讃法要
【大阪市】大阪府太子町に叡福寺というお寺がある。聖徳太子の御廟(宮内庁管轄)が護持されている歴史のある格式高い寺院である。
その一角に日蓮聖人の顕彰碑が建っている。日蓮聖人の御伝記によると、比叡山にて勉学に励まれていた若き日蓮聖人は近畿各地を遊学、その際叡福寺を訪れ聖徳太子の法華経弘通報恩のために7日間参籠なされたという。
この顕彰碑は、昭和9(1934)年大阪市北区本傳寺住職丸田恵貞上人の尽力によって建立された。大正10(1921)年に叡福寺で執り行われた『聖徳太子1300年遠忌法要』に参列された丸田上人は「聖跡」を示した板碑の損傷を憂いて、昭和6(1931)年『日蓮聖人650年遠忌』に際し叡福寺の協賛協力を得て記念塔の建立を発願された。昭和9(1934)年4月28日の立教開宗会には除幕式を開催し、宗門がこの「聖跡」を公認した。以来毎年4月29日には宗門法要として、管長名代の委嘱を受けた大阪市宗務所長が導師を務め、聖徳太子廟と記念塔の御前にて法要が営まれている。また、記念塔の右側に昭和60年に大阪日蓮宗青年会により建立された写経納経塚への納経法要も併せて行われている。
今年も4月29日(火・祝)午前11時より磯長 叡福寺において第773回 立教開宗慶讃大法要が執り行われ、僧俗併せて120名以上が参加した。法要に先立ち研修会館において、午前9時45分より大阪日青会長 神谷行宣師による前座法話。午前10時15分より日蓮宗専任布教師 大西慶明師による法話がなされた。その後、午前10時45分より管長名代委嘱式が行われ、下土井龍永宗務所長が管長名代の導師として、来賓に奈良県小野瑞正宗務所長をお迎えし、叡福寺の管主猊下ご列席の下、管区信徒青年会による纏を先頭に太子廟前まで行列にて移動。太子廟前において聖徳太子へ御回向申し上げた。更に纏が出迎える中、今年から椅子席となった記念宝塔前に場所を移し、立教開宗慶讃大法要を厳修。併せて神谷日青会長の導師による納経法要が執り行われた。抜けるような青空に恵まれ、皆晴れやかな気持ちに包まれ法要を締めくくることが出来た。