2025年4月24日
熊本 「送る―熊本県下の精霊流し」展
【熊本】菊池市妙蓮寺(堀尾義透住職)では毎年8月17日に精霊流しを実施しているが、熊本博物館で3月25日から6月1日まで開催中の展覧会「送る―熊本県下の精霊流し」にて、精霊流しで使用される精霊舟が展示されている。この展覧会では妙蓮寺をはじめ県内7カ所の精霊流しが紹介されている。
妙蓮寺の精霊流しは300年以上の伝統がある行事で、初盆を迎えた家族や檀信徒などが集まり、菊池市中心部を流れる迫間川に、麦わらや竹で作られた全長約5メートルの精霊舟2艘や紙灯篭約200個が流される。特に精霊舟の制作は、数日かけて舟の躯体を竹で作り、行事当日の午前中に麦わらをつけて船体を完成させ、午後に檀信徒が施餓鬼幡や紙花で飾り付けるなど大掛かりな作業という。
また、今回の出展を記念した切り絵御首題を企画。博物館でも頒布され開催中の売り上げの一部を能登半島地震の義援金に充てるという。
今回の展示にあたり堀尾大悟副住職は「博物館に収蔵される事は名誉な事です。宗教的価値感を衰退させない為にも沢山の方に見て頂きたい。有形の舟だけではなく御先祖様を敬い信仰心によってこれまで継承しているので絶やすことなくお題目と共に護っていきたい」と話している。