2023年10月15日
福島 会津若松市本山妙國寺で晋山式
【福島】 10月15日、会津若松市の本山妙國寺第五十六世伊藤日寛猊下の法灯継承晋山式が行われた。 コロナの影響により約3年越しの本山晋山式開催となった。全国の本山貫首・管内教師・檀信徒ら合わせ約100人が参列した。
宝光山妙國寺は東北では数少ない本山寺院の一つであり、その歴史も奥深い。 元々は顕本法華宗の寺であり、開祖日什上人の生誕・ご霊廟の地として広く知られている。 また戊辰戦争時代、会津藩・幕府のために戦った青年達・白虎隊の最初の埋葬地でもある。 新政府の仇敵として遺骸の埋葬を許されなかった彼らを受け入れることは、並々ならぬ覚悟が必要であっただろう。その時代、地域の人々の信仰や供養への思いを、妙國寺が大切に守り継いできたことが歴史からも伺える。
13時半に法要が始まると、本堂は唱題の声と共に厳かな空気に包まれた。 伊藤猊下は謝辞の中で、今までの妙國寺の歴史に対し「荷が重い」と率直な思いを口にしつつも「日什上人の教えを守りながら先祖供養にしっかり努めたい。自分一人の力だけではなく檀信徒とともに歴史ある妙國寺を守っていきたい。」と語った。あいにくの雨模様でしたが、新貫首の謙虚でひたむきな覚悟がまるで供養の雨となり、お寺に眠る精霊たちへ降り注いでいるようだった。