2016年6月9日
東京南 東京四部布教講習会
【東京南】東京四部宗務所主催の「東京四部布教講習会」が6月9日、池上本門寺朗峰会館で開催された。本年は東京都南部布教師会(吉田尚英会長)が担当し、80余名の教師が参加した。
テーマは「声なき声を聴く」。心の内に悩みをかかえる相談者、葬儀や法事で接する遺族、仏祖のみ声という三つの「声なき声」と、それらを「聴く力」に視点を定め、三本の講演が行われた。
まず、「傾聴僧の会」代表・石倉真明師(京都市浄土宗西山深草派宝樹寺住職)、同会役員・河合宗徹師(丹波市臨済宗妙心寺派成徳寺住職)により、「傾聴僧の目差し(まなざし)」と題して講演が行われた。石倉師、河合師は、僧侶として相談を聴くことの意味について解説。傾聴は、相談者への信頼を示すものであり、苦しみを上手に聴くことで、相談者自身が考えを整理して自ら答えを出し、結果として苦しみを和らげることに繋がると語った。
続いて「リメンバー名古屋自死遺族の会」代表幹事・鷹見有紀子氏は、「遺族の声を聴く」と題し、葬儀の前後の遺族がどのような心境で何を望んでいるのか、遺族会の声や葬儀の仕事での経験を踏まえて語った。鷹見氏は、僧侶だからこそできるグリーフサポートとして、遺族への接し方や、通夜・葬儀で遺族に伝えて欲しいことを話し、極限状態の遺族の声なき声に耳を傾けることの必要性を説いた。
最後に「み仏の声を聴く」と題して、大本山池上本門寺貫首・菅野日彰猊下による講演が行われた。菅野猊下は、体験談を交えながら、み仏の声を聴くことの大切さについて語られた。その中で、「仏性を開顕して、その喜びを人々に伝えていくことが日蓮宗僧侶としてのあり方である」と述べ、葬儀の本義はお経を唱えて供養することであり、供養が届いていると確信をもって、真剣にお経をあげなけば極限状態の遺族にも伝わらないと述べられた。
参加した教師からは、「三つの声なき声を聴くことができているか、あらためて考える機会になった」「自分が一方的に話すばかりではなく、聴くことの大切さを痛感した」といった声が聞かれた。



















