全国の通信記事
2024年12月15日号
福島 医療的ケア児の現状と支援を学ぶ
【福島】12月15日、福島市・東光寺で医療的ケアが必要なお子様、ご家族との交流学習が、午前、午後に分かれ開催された。
午前の部は、参加予定のお子様の体調により、交流が叶わなかったが、講師の「なごみ訪問看護ステーション」代表・菅原宏大先生へ医療的ケアを要する子どもたち、ご家族の現状について話を伺った。
医学・医療の進歩により、先天的、病気、ケガなど様々な要因による後天的なものも含め、子どものいのちが助かるようになったが、医療的ケアを要することも増加しているという。
医療的ケアは在宅によるものが多く、訪問看護など専門的支援のほか、家族が指導を受けて、人口呼吸器による呼吸管理、痰の吸引、経管栄養管理などの管理ケアが恒常的に不可欠なことから、医療的ケア児の対応が出来る幼稚園なども少なく、未就学児が多い現状がある。
また、子どもの体調急変にも対応するため、おもに母親の離職割合が高く、経済的影響や社会とのつながりが薄れ、孤立してしまうケースもあり、子どもだけではなく、ご家族への支援、心のケアも必要であると。
災害時はケアが必要な子どもたちが避難する場所が限定的であったり、生命に直結する医療機器の電力、医薬品の確保など課題も多く、支援団体、ボランティア、行政、地域がひとつになり、サポートできる環境整備も望まれている。
医療的ケアを要する子どもたち、ご家族への理解を深める重要性、支援場所を増やしていくこと、ケアサポートが出来る看護師などの専門的人材の育成や確保などの課題へ、社会全体で共有することで改善されていき、必要な支援が行き届くようになり、医療的ケアを要する子どもたちの笑顔が守られ、ご家族への支援にもつながる社会になることが求められている。
午後の部では、支援事業所aozoraリノよりスタッフさんたちが参加し、ケアが必要なお子様、ご家族と交流させていただき、お子様たちの笑顔に素敵な時間を過ごしました。
2024年11月25日号
福島 東北教区檀信徒研修道場
【福島】福島市で11月25日、26日東北教区檀信徒研修道場「いのちに合掌~身延山と日蓮聖人」をテーマに、身延山久遠寺総務・浜島典彦師を迎え、僧侶・檀信徒113人が参加した。
第1部は、身延での日蓮聖人の食と健康、檀越の支えについて、浜島師の体験談を交え解説された。
第2部では、宮沢賢治、常不軽菩薩に触れながら、互いの「いのち」を尊び手を合わせ、お題目を唱え信心する心を子から孫、次の世代へつないでいくことは、「いのちに合掌」のテーマへの結びとなる法話に、参加者は最後まで耳を傾けていた。
2024年11月16日号
福島 イベント「ザ・ベスト店」
【福島】福島市東光寺は11月16日・17日に、イベント「ザ・ベスト店」を開催した。県内各地から二日間で約1000人以上が来場し、大盛況となった。
当イベントは、住職の齋藤幸弥師が大好きな飲食店、アーティスト、デザイナーなどを集め、 各々の分野で「ベスト」な仕事をする人たちの「店」を、より多くの人に知ってもらい地域を盛り上げよう、という思いからはじまった。
県内を中心とする15店舗が集まり、客殿と境内を使って、アパレル、軽食、焼き菓子、飲み物、書店、アクセサリー、雑貨、バルーンアートなどが販売された。本堂では、クリスタルボウルの演奏による瞑想、ヨガ、ワークショップで作った数珠ブレスレットの祈祷を交互に行った。他にも、コースター作り、タッセルイヤリング作りなどの体験型ショップや、イベント限定の御首題や手ぬぐいも取り揃えた。当日は晴天にも恵まれ、それぞれの店舗で盛況を見せた。
数ある店の中でも特に人気だったのが、郡山市から来たケーキやクッキーなどの焼き菓子を販売する「ケのハレ」だ。何層ものパイ生地で作られ、貝殻のような形をした「スフォリアテッラ」は住職の一推し商品で、イタリアのナポリ地方のお菓子だと言う。その珍しさと美味しさから評判となり、2日目は10時開場前から約30人待ちの列ができた。
来場者は子供からお年寄り、県内外から様々な人が集まった。ワークショップで真剣に数珠玉を選ぶ親子。展示された色彩豊かなセーターに袖を通す婦人。客殿のイートインスペースで美味しそうにワッフルを食べる女の子。お堂の前で静かに手を合わせてから焼き芋を買う男性。そのほとんどは、普段お寺に馴染みのない人たちだった。「こんなところにお寺があるとは知らなかった」「イメージしていたお寺とは違っておしゃれだった」という驚きの声が聞かれた。今回のイベントは参加した店舗の周知や地域貢献はもちろんのこと、今薄れゆく寺院への関心を高める一助にもなったであろう。
一つの場所を共有し、人々が楽しむ様子はさながらお祭りだった。そんな風に多様な人たち集う場所こそが、まさに「ベスト」な「お寺」なのかもしれない。