全国の通信記事
2025年3月2日号
山梨3 甲斐元浩師法灯継承式
【山梨3】3月2日、韮崎市旭町上條南割の浄蓮寺に於いて、第三十三世甲斐元浩の法灯継承式が行われた。前日までの厳しい寒さが緩み、春の訪れを告げる紅白の梅の花が境内にほころぶ中、管内外有縁の僧侶、檀信徒が見守る中で営まれた。式に先立ち、
式衆、檀信徒とともに行列を組み、寺に歩みを進めた。
午後1時30分より行われた法灯継承式では、岡本正富山梨県第三部宗務所長より、日蓮宗管長からの住職承認の辞令が伝達された。新住職は寺門発展に精進することを誓われ、第三十二世楢原眞實師から第三十三世甲斐元浩師へと払子が継承された。
新住職は謝辞で「楢原眞實師の教えを胸に、これまでの人生、仏道修行で培った経験を活かし、檀信徒とともにお題目を唱え、歩んでいきたい」と力強く誓われた。また、感極まる涙をこらえながら、これまで前住職とともに寺を支えてきた檀信徒に感謝の意を伝えた。新住職の優しく、穏やかな気性と同様に、心温まる法灯継承式となった。
2025年2月26日号
山梨3 南アルプス市妙了寺大荒行僧祈祷会
【山梨3】2月26日、南アルプス市の一之瀬、高峰山妙了寺(阿部是秀住職)本堂に於いて寒中100日の大荒行を成満した荒行僧を招き、妙了寺御歴代位牌、大古久尊天入魂式が行われ、檀信徒ら 名が参列した。
荒行僧による水行の後、本堂にて御祈祷会が行われ、式中には妙了寺護寺会役員によって位牌の序幕が行われ、続けて出仕した荒行僧によって大古久尊天像に墨入れが行われ開眼入魂がなされた。
妙了寺は正応元年(一二八八)の創立とされ、宗祖が身延山在山中の九年間給仕供養に勤め、宗祖より妙了日仏の法号を賜った日仏尼とその子である日了によって開かれたお寺である。
かつては三十余棟の堂宇を有する巨刹であったが、昭和二十四年四月に失火により数棟を残して灰燼に帰した歴史がある。その際多くの収蔵物も焼失しており、焼失を免れたものの燃え盛る堂宇から搬出された歴代上人の位牌は火災の影響で炭化してしまったものや欠損してしまったものも多く、位牌の新調が長年望まれていたが、この度、妙了寺の護寺会並びに檀信徒の協力により新たな歴代上人の位牌が納められた。
また、妙了寺には以前「福徳大古久尊天」が祀られていたようであるが火災でその尊像は焼失してしまったようで、阿部住職により妙了寺の復興を祈り新たな大古久尊天像が勧請された。
参列した檀信徒からは、「お寺が明るくなり昔の活気が戻ってきたような気がする」といった声や「力強い御祈祷を受けて元気を頂けた」と笑顔で話される方も多かった。
阿部住職は「身延山で宗祖を支えた日仏様が開かれたお寺、裏身延と呼ばれるように身延山を裏から支えてきた由緒ある妙了寺を火災以前のように復興させるための第一歩として歴代のご住職の位牌を新しくすることが出来たのも檀信徒の皆様のおかげである」と語られ、妙了寺の益々の発展を祈られた。
2024年12月14日号
山梨3 歳末助け合い唱題行脚
【山梨3】12月14日、山梨県第三部宗務所(岡本正富宗務所長)・同檀信徒協議会(金丸忠仁会長)は南アルプス市桃園、蓮経寺(柏原啓修住職)を出発地に毎年恒例の「歳末助け合い唱題行脚」を行った。
開催当日、出発会場となった蓮経寺には管内教師、檀信徒合わせて100名程の参加者が集まった。近年は12月とは思えないほど暖かい年が続いたが、今年は晴天とはいえ、冷たい北風が吹き、本来の12月らしい寒さの中での行脚となった。
参加者から成る長い隊列は教師と檀信徒の代表が掲げる赤、青、二旗の玄題旗を先頭に出発し、冷たく強い北風が吹く中で、それぞれが被災地や世界平和への想いを胸に、力強くお題目を唱え、歩みを進めた。
今回の行脚では南アルプス市桃園の長明寺(安藤顗雄住職)にてお茶や菓子パンなどの供養を受けながら、出発点の蓮経寺まで戻る、約3キロメートル弱の行程を二時間かけて練り歩いた。
唱題と団扇太鼓の音に誘われ、沿道には募金を寄せる近隣住民が多数出ていた。「寒い中ご苦労様です。頑張ってください!」と、たくさんの温かい声をかけられた参加者たちは、その声に応えるように、最後まで元気一杯にお題目を唱え、充実した気持ちで行脚を終了した。
今回の唱題行脚で集まった義援金56万6386円は、公益財団法人「山梨YBS厚生文化事業団」へ寄託された。この義援金は令和6年1月に発生した「能登半島地震」の復興財源として使われる予定である。