全国の通信記事
2025年5月29日号
埼玉 日蓮宗の声明と雅楽の近代史
【埼玉】日蓮宗埼玉県声明師会(会長:星光陽上人)主催による研修会が、令和7年5月29日(木)、さいたま市浦和区の埼玉仏教会館にて開催された。
研修会では、「日蓮宗の声明と雅楽の近代史〜江戸から令和に繋がる祈りの音〜」と題し、東京都北部・延命院住職の下宮弘聖上人を講師に迎え、宗門における声明と雅楽の歴史的変遷についての講演が行われた。
当日は県内各地より僧侶14名が参加。下宮上人は、江戸時代における声明の整備とその音楽的背景、明治以降の制度的変化、そして現代に至るまでの流れを、豊富な史料と音律の実演を交えて丁寧に解説した。特に、声明と雅楽がどのように融合し、仏教儀礼の中で祈りの表現として深化してきたかについて、参加者の理解を深めた。
講演後には質疑応答の時間も設けられ、参加者からは「声明をより深く学ぶ上での新たな視点を得られた」「伝統の音に込められた祈りの力を再確認した」などの声が聞かれた。
本研修会は、声明の技術的研鑽にとどまらず、宗門文化の継承と発展を目的とした貴重な学びの場として、意義深いひとときとなった。
2025年5月17日号
栃木 堂会館落慶1周年記念コンサート
【栃木】小山市妙建寺(西口玄修住職)は、5月17日に本堂会館の落慶1周年を記念したレクチャー&コンサートが開催し約120人が参加した。約300年間布教の拠点を担ってきた旧本堂は2023年に建て替えが完了し、昨年5月に落慶式を行った。レクチャーでは西口住職が「本堂格天井画修復復元の歩み」をテーマに講演を行った。本堂の格天井には同市の「おやま百景」に指定され、約300年前に旧本堂に取り付けられた百人一首の彩色画が施されている。そして百人一首の天井画がある寺院は全国に5ヵ寺しかないと説明した。コンサートは栃木県にゆかりのある演奏家を集めて開かれた。市在住のバイオリニスト上保朋子さん、足利市出身のハープ演奏者邊見美帆子さん、同寺副住職でソプラノ歌手の西口彰音師の3人がカミーユ・サンサーンス作曲の「序奏とロンド・カプリチオーソ」や「You raise me up」など13曲を披露。美しい音色が堂内に響き渡った。
栃木 檀信徒協議会総会
【栃木】5月17日令和7年度日蓮宗栃木県檀信徒協議会総会が宇都宮市妙金寺(野澤智秀住職)で開催され、管内寺院の総代10人が参加した。
齋藤高蔵栃木県檀信徒協議会会長、野澤壯監栃木県宗務所所長、荒居養雄栃木県協議会議長の挨拶で始まり、令和6年度事業報告、令和7年度事業計画や会則改正、檀信徒統一信行会などが議題となった。
閉会後、栃木県協議会議長妙音寺住職荒居養雄師が法話を行った。
話の中で、葬式離れ、寺離れ、墓離れが多くなってきている時代の中で、お寺がいかにして周りと関係を繋いでいくかが課題であると話した。自身は幼稚園運営を行い、その中で仏教行事を取り入れ、お寺との関係をつなげている。お寺は誰のためにあるのか、お寺は何が出来るのか、今の時代に何が必要とされているのか、不幸があった時以外でも必要とされる寺院運営をしていかなければならないと語った。