全国の通信記事
2024年8月1日号
東京東 2泊3日の修養道場
【東京東】令和6年8月1~3日、東京東部日青会主催の修養道場が大田区大本山池上本門寺で開かれ、小中学生14名がお寺の修行体験を通して思いやりの心を育んだ。
東京東部の修養道場はここ数年、コロナ禍の影響で中止や日帰り開催が続いたが、50回目を迎えた今年は5年ぶりに2泊3日の開催が実現した。
大堂で行われた開会式では、孝道示現のお祖師様がご開帳され、本門寺の伊澤文彦参拝部執事から子供たちに「日蓮聖人が大切にされた孝養を体現し、父母への感謝を心に込めながらお題目を唱えるように」と伝えられた。
子供たちは朝夕のお勤め、境内清掃、写経写仏、暗闇唱題行など3日間修行に励んだ。中には正座に顔を歪める子も見られたが、その一方レクリエーションでは、ウォークラリーや水鉄砲遊び、流しソーメンなどで交流も深まり、子供たちの笑顔があふれた。
また今回は、トイレの乱れたスリッパを揃えるなど、良い行いをすると『功徳ポイント』
がたまり、班対抗でポイント総数を競う試みがなされ、子供たちが「みんなのために自分ができること」をより考える道場となった。
閉会式では読経後、「心を1つにして力を合わせれば、どんなに難しいことでもやり遂げられる」と全員で声を揃えて祖訓を読み上げた。東京東部日青会の露木洋道会長は、協力し合いながら修養道場を成し遂げた子供たちを褒め称え、帰宅してからも「相手を思いやる心、助け合う心」を持ち続けるよう話し、子供たちにエールを送った。
2024年6月28日号
東京東 信行の集い
【東京東】6月28日、台東区妙音寺(岡﨑英里住職)にて、東京都東部宗務所、並びに東京東部伝道センター主催の「檀信徒 信行の集い」が執り行われ、教師と檀信徒を併せて80名が参列した。
午前10時、開会の挨拶に立った鈴木貫元宗務所長は、日蓮宗が提唱する行動理念「いのちに合掌」について説かれ、全ての生命を敬う心を持ち、皆が互いを尊重し寄り添い合える社会を築いていきたいと話された。
法要は昨年同様、「いのちに合掌 妓楽山妙音寺 江戸十大祖師特別開帳 立正安国世界平和大法要」と題して執り行われ、読経開運の祖師像のもと教師と檀信徒が異体同心となり、平和への願いを込めて勤行した。
法要後は書院客殿へ移動、自坊で定期的に写経会を開いている小林正人上人(妙源寺)が講師を務め『欲令衆』を写経した。経文の書写に先立ち小林師から「写経する際はお経の1文字1文字を仏様だと思い、心を込めてゆっくり書写する。そうすることで雑念が払われ、生老病死の四苦からも解き放たれて、心が穏やかになっていく」と説明があり、1文字1文字、丁寧に筆を進める檀信徒たちの姿が見られた。
漫才を歓芸しながらの昼食を挟み、午後は岡﨑英里上人を導師に唱題行を執り行い、その後、徒歩で本覚寺へ移動、江戸十代祖師の一つ、日限の祖師像を参拝した。
そして最後に、本覚寺住職、沖真弘前宗務所長による墨刻の創作パフォーマンスを鑑賞して閉会となった。墨刻とは古代文字を題材に抽象化表現した作品を創作するもので、沖前宗務所長はこの日、『生』という文字に込められた古代人の思念と生き様に思いを馳せ、そこに自身の思惟を重ねて、力強く新たな『生』を描いた。
1日を通し参列した檀信徒からは、「改めて生命を敬う心の大切さを学んだ」「文字に込められた思い、お経の1文字に込められた仏様の思いについて考えさせられた」等の声が聞かれた。
2024年3月5日号
東京東 公開講演会
【東京東】令和6年3月5日、江東区玉泉院(井上慶亮住職)にて、東京東部布教師会が「愛される寺」をテーマに公開講演会を開催し、管内教師12名が受講した。
講師には、「お寺の掲示板大賞」受賞やテレビ出演等で注目を集める渋谷区妙円寺の本間大智住職を招き、寺・墓・葬式の3離れが進む中「選ばれる寺」になるために何が大切か、御教示頂いた。
本間師がまず初めに述べられたのが境内の掃除やベンチの設置など、僅かな気配りと労力が親しみやすい寺を作るという。そして次に、檀信徒のカルテを作成する事を推奨された。カルテに法要や葬儀記録、親族情報、相談話などを記述しておくことで、檀信徒との関係を深めることに役立つと述べられた。
さらに年回法要案内や寺報の発行、戒名説明文の作成、法話会の開催など、寺が積極的に檀信徒へ働きかけていく事が大切だと説かれた。妙円寺の法話会では落語や講談が喜ばれ、行事の告知についてはSNSも利用するが、直接の声かけが一番効果的だったと話された。
後半では永代供養墓や樹木葬墓地の建立についてお話頂き、注意点として業者によって契約条件に差がある点を挙げられ、建立する際は必ず複数の業者、さらには契約している寺院からも話を聞くようアドバイスを頂いた。
最後に掲示板の活用を勧められ、掲示板の言葉1つで寺の印象が明るくなると語られた。掲示する言葉を自身で考え続けるのが大変であれば、感銘を受けた言葉を引用しても良いという。本間師自身も最近は引用した言葉を啓示する事が多いとのことだった。
講演を終え東京東部布教師会の﨑津寛光副会長は「実践的で大変わかりやすい内容だった」と本間師に礼を述べ、「自坊でも僅かな気配りから見直していきたい」と話された。