全国の通信記事
2024年11月5日号
東京東 京浜教区檀信徒研修道場
【東京東】第40回京浜教区檀信徒研修道場が11月5日より1泊2日で開催され、教師と檀信徒を合わせ50名が大型バスで山梨県身延へと向かった。
午前11時半、訪れたのは「日蓮聖人の身延御入山草鞋ぬぎ、1ヶ月御停住の霊場」と呼ばれる波木井山円実寺。境内で記念撮影後、本堂で長谷川喜章住職を導師に御開帳法要が営まれ、開場式が始まった。挨拶に立った長亮行京浜教区長は「日蓮聖人が勉学に励み、多くの僧と議論を重ねて突き止めた妙法5字、聖人のたゆまぬ努力に思いを馳せながら御題目を唱え、研修に臨んでほしい」と檀信徒に伝えられた。
昼食後は御題目写経に続き、身延山布教師の延本妙泉師から法話を頂いた。延本師は知恩報恩について説かれ「どんな時も感謝の心を持ち、恩を頂いたら自分もまたより多くの人を助けることが報恩」と優しく語られた。次にバスで御廟所へ移動し法味言上、常唱殿で唱題行を営み初日の研修が終了した。夜は下部ホテルで体を休めた。
2日目は早朝4時半に出発し身延山久遠寺へ、薄暗い境内で大鐘楼の音を聞き、大本堂で持田日勇法主猊下が導師を務められる朝勤に参列した。勤行後には豊田慈證布教部長から「身延山こそが霊鷲山」とお話を頂き、久遠寺が推進する共栄運動にも触れられ「全ての人々が互いに敬い合って幸せになるよう皆さんでお題目を唱えよう」と参列者に呼びかけられた。
ホテルに戻り朝食と小休憩、午前9時半に笛吹市石和町へ移動し、謡曲「鵜飼」発祥の地、「日蓮聖人が鵜飼の亡霊を供養し成仏させた」と伝わる鵜飼山遠妙寺を参詣した。長澤宏昌住職を導師に御開帳法要を執り行い、日蓮聖人が亡霊供養のため小石に御題目を書いたと伝わる寺宝「7字の経石」を拝観した後、閉場式が行われた。東京都東部宗務所の鈴木貫元所長は最後に「研修道場で学んだことを日々の糧にして信仰をより深めて頂きたい」と檀信徒に伝えられた。2日間の研修を終えた檀信徒たちだが、疲れた様子はなく、近くのシャトレーゼホテル石和で楽しく昼食、檀信徒からは「身延でたくさんのパワーをもらってより元気になった」との声も聞かれた。
2024年10月22日号
東京東 身延別院で法灯継承式
【東京東】石川県羽咋市本山妙成寺第71世貫首・藤井日傳猊下が住職を務めていた東京都中央区日本橋小伝馬町の身延別院で、10月22日法灯継承式が営まれ、藤井猊下のご子息でもある弟子の藤井教祥師が第4世として新住職に就任した。
法灯継承式では日蓮宗管長・大本山池上本門寺貫首の菅野日彰猊下から祝辞を頂戴し、また、同日夕刻より帝国ホテル東京で行われた披露宴には、僧侶と檀信徒を合わせ250名が参列、総本山身延山久遠寺法主の持田日勇猊下から祝辞を賜った。
謝辞に立った前住職・藤井日傳猊下は厚く御礼を述べ「これからは晋山した本山妙成寺で被災した能登の復興に力の限り尽くす」と新たな目標を掲げた。次いで新住職・藤井教祥師が自身を支えてくれた方々へ感謝を語り「今後、宗教離れがより叫ばれる険しい道のりとなるが、様々な方々と協力し合いながら新しい布教の形を模索し、地域に根差した活気あふれるお寺を継続して、次代へ法灯を繋げたい」と強い決意を表明した。
藤井教祥師は1979年生まれ、同志社大学在学中から京都本山頂妙寺や大本山法華経寺などで修行し、2006年身延山別院の副住職に就任。地域に根ざした寺院を目標に寺子屋や食育イベントなど子育て支援活動にも尽力。2016年から全国日蓮宗青年会第32代、33代会長を務め、現在は東京都東部宗務所参事と東京東部伝道センター出版広報部長を兼任しながら能登の復興支援にも携わっている。
2024年9月16日号
東京東 お寺で保護猫の譲渡会
【東京東】9月16日、江戸川区城立寺(吉田英修住職)で保護猫の譲渡会が行われ、境内に行列ができるほど大勢の来場者で賑わった。
主催は保護猫活動に取り組むボランティア団体『てらねこ』で、屋内で譲渡会を行う場所がなく困っていたところ、城立寺修徒の吉田協英上人が相談に乗り、お寺の客殿で開催することになったという。
この日の譲渡会は午後2時から3時間に渡って行われ、239名もの里親希望者が来場、50匹中30匹の猫に新たな住まいが見つかった。
保護猫とは、捨て猫など飼い主がいなくなった猫や、虐待や多頭飼育崩壊のような劣悪な環境から助け出され、一時的に保護された猫の事で、中にはペットや生後間もない猫など野生で生きられない猫も多く、譲渡会で新たな里親探しが行われている。
『てらねこ』の譲渡会では里親希望者から保護主に譲渡金として2万5千~3万5千円が支払われるが、保護主は一時保護期間の餌代や医療費が多額にかかるため、その多くは赤字で、猫を救いたいという気持ちで活動しているという。
『てらねこ』代表の福田ともか氏は「猫も人も同じ、生まれてきた命を無駄にしたくない、救いたい、幸せに暮らして欲しい」とその思いを語り、「日曜日や祝日に譲渡会を行う場所を提供できる方がいれば助けて欲しい」と協力を願った。