全国の通信記事
2024年7月15日号
大阪市 戦争犠牲者慰霊法要
【大阪市】7月15日中央区中寺・妙徳寺に於いて、大阪市修法師会主催で戦争犠牲者慰霊法要が厳修された。法要に先立ち、大阪日蓮宗青年会による真田山陸軍墓地にて戦没者への慰霊の法味言上がなされ、その後、妙徳寺までの唱題行脚が行われた。
午後1時より寳樹寺・和田龍政上人による法話が行われ、午後2時からは下土井龍永宗務所長ご臨席のもと、導師に戸田秀明修法師会長、式衆に修法師会員の出仕にて戦争犠牲者慰霊大法要が厳粛に執り行われ、約30名の参列者と共に戦争犠牲者への慰霊と世界平和への祈りが捧げられた。
参列者からは、今年は昨年よりも多くの方のお参りがあり戦没者の慰霊と世界平和へのいのりに対する関心の高まりを感じたという声も聞かれ、慰霊法要を続けていく事の意義を強く感じさせられた。
新潟西 柏崎番神堂萬巻会
【新潟西】7月15日柏崎市番神堂(田村照明主管)で「萬巻会」が行われ、檀信徒80名あまりが参列した。
番神堂は日蓮大聖人が佐渡配流ご赦免のおりにご着岸されたとされる砂浜を見下ろす岬に建つお堂で、宗門史跡に数えられている。祀られている三十番神は日蓮大聖人自ら勧請されたもので、伽藍からは長い歴史を感じさせる。萬巻会もお堂と同様に長い歴史をもち、以前は「おこもり」といい、泊りがけで修行する信徒で賑わったと伝え聞く。
この日は、午後二時より僧侶十名が出仕する大祈祷会が行われ、参拝者の御祈願のほか地域や世界の安寧が祈念された。法要後には番神堂の主管である田村照明僧正による法話がおこなわれ、御題目信仰の大切さ、仏様の教えを生きているうちに活かすことの大切さについてが語られ、参加した檀信徒はみな真剣に耳を傾けた。そのほか開式に先立ち、寺庭婦人と信徒有志による和讃が奉唱され、僧俗一体となっての御題目の声が響き渡った。
翌16日には管内の有志僧侶と青年会員による「中越沖地震慰霊行脚」がとり行われ中越沖地震のほか本年正月に発生した能登半島地震など近年発生した災害にて尊い命を亡くされた方々の慰霊と被災地の復興が祈念され、市内には若手僧侶による力強いお題目と、番神堂の鐘楼堂からの慰霊の鐘の音が響き渡った。
滋賀 豊臣秀次公顕彰法要
【滋賀】滋賀県近江八幡市の平野に聳える八幡山の頂上に建立された日蓮宗唯一の門跡寺院である瑞龍寺。豊臣秀次公の菩提を弔うため母の瑞龍院日秀大比丘尼によって建立されたこの寺院で、令和六年七月十五日(月・祝)午前十一時より豊臣秀次公顕彰法要が詫間日郁尼公猊下導師のもと執り行われた。本年は豊臣秀次公の第四三〇遠忌・日秀大比丘尼第四〇〇遠忌の記念すべき年である。この法要は昭和五十年代から八幡山麓にある秀次公像の前で豊臣秀次公顕彰法要準備会の主催により執り行われていたが、昨年から瑞龍寺の主催となり顕彰法要準備委員会を協賛とし瑞龍寺本堂にて行われている。詫間日郁尼公猊下の尽力により往時の風格と荘厳さを取り戻した瑞龍寺、その境内には秀次公の像が法要参詣者や観光客を見守るかのように鎮座し式衆の厳かな読経の声が山内に響き、門跡の為に作成された瑞龍寺和讃が滋賀県下の和讃団によって奉納された。法要後、尼公猊下は秀次公の辞世に涙しながらの挨拶で来し方門跡運営の苦労を語り、また当日盛況だった法要成功の感謝を約百二十名の参詣者に述べられた。そしてこの記念すべき法要を終えても弛むことなく、次の機に備え門跡と地域が手を取り合って継続する努力を訴えた。続く来賓挨拶では近江八幡市長の姿も見え、地域との強い結びつきも感じさせている。
この法要を執り行う前には、招かれていた越後上越上杉おもてなし武将隊による演舞が披露され参詣者ばかりでなく一般観光者を楽しませており、また法要後には第二部として秀次と源氏物語と題された講演が行われている。
信仰ばかりではなく歴史や文化、地域振興の面に渡り多くの人々に裾野を拡げる試みが用意され、門跡と顕彰法要準備会が如何に視野を広げているか感じられた。
帰路につく参詣者は笑顔を浮かべながらも誇らしげであり、門跡という尊貴な立ち位置でありながら地域と強く結びついている事を感じさせた。
詫間尼公猊下の人柄と努力、それに共感し尽力する執事長や弟子の熱意、檀信徒や地域住民との親和を肌で感じる素晴らしい法要であった。