全国の通信記事
2024年12月9日号
熊本 菊池恵楓園物故者慰霊法要
【熊本】令和6年12月9日に熊本県合志市、国立ハンセン病療養所菊池恵柳園内やすらぎ総合会館にて菊池恵楓園物故者慰霊法要が営まれた。濵田義正熊本県宗務所長を導師に式衆に宗務所職員と7名で法要が行われた。
法要には宗務院伝道部より伝道部長長谷川上人と書記の橋本上人、熊本県宗会議員の塩田上人、肥後本妙寺住職池上上人、入園者4名並びに施設職員が参加した。
閉式の後、恵楓園敷地内にある納骨堂に移動し自我偈を一読したのち法華堂跡地や施設火葬所跡地、昭和4年に作られた入所者の逃走防止用のコンクリート壁を見学し、歴史資料館を訪れた。
法要後、日蓮宗宗務院長谷川伝道部長は「こちらでお参りさせていだだき誠にありがたかったです。我々は色々なことがございますが過ぎ去ってしまったことには素直にごめんなさいと謝り、そして現在、今ここに生きていることに対してはありがとうと、そして未来においては安らかに過ごせますようによろしくお願いしますという気持ちが大事だと思います。日蓮宗は今、いのちに合掌という生きとし生きるものすべてに感謝のきもちをもって活動しております。お釈迦様、日蓮上人が私たちをつないで下さっている御縁を大事にして一つ一つの命に感謝しながら暮らしていきたいということをあらためて感じさせていただきましたと。」とご挨拶された。
菊池恵楓園は明治42年に九州7県のハンセン病療養所として現在地に開設された施設であり昭和16年に国立療養所菊池恵楓園と改称され、現在118名の入圓者が生活している。
2024年10月27日号
熊本 芦北町實照寺で豪雨災害復興・落慶法要
【熊本】令和2年7月豪雨災害にて全壊した熊本県芦北町實照寺(塩田義道住職)で、本堂、庫裏、仁王門等すべての工事、仏具等修復が終わり、10月27日めでたく落慶法要が営まれた。
この日は好天に恵まれ、管内法縁、組寺会寺院、檀信徒約80名が新たな門出を祝った。
4年前の7月4日朝、前日から降り続いた雨により突然本堂裏山が轟音と共に崩れた。本堂はそのまま土砂にのまれてあっという間につぶれていたという。
塩田住職、御寺族は九死に一生を得たが、かろうじて建物は無事であった本堂隣の庫裏も浸水、あたりを見渡せば町中が被害にあっていた。
しかしながらすぐに管内寺院、工事ボランティアが入り作業が始まる。仏像は修復こそ必要なものの、奇跡的にすべてが土砂から回収できた。
被災後は、庫裏に仏像を移し、できる限りの年中行事法要は継続し、檀信徒もお参りを続けながら同時に本堂・庫裏の再建が始まった。
その後、最初に庫裏、そして本堂、周辺整備、最後に仁王門完成と、新しくなったお寺が町に戻ってきたのである。
祝辞にて濵田宗務所長から「この日を迎えるまでさぞかし大変であったと思う。しかし、わずか4年という短期間での復興は日蓮宗にとっても見本となる」と語った。
最後に塩田住職は復興までの経緯を語り、
「これだけ早く復興事業が進められたのも、宗門関係御寺院、組寺会、青年会、工事ボランティア、関係する業者の皆様、檀信徒の皆様のご協力のお陰です。仏像もすべてが戻ってきました。これからはまたたくさんの方にお参りしていただきたい」と謝辞を述べた。
2024年10月3日号
熊本 第49回護法大会
【熊本】宗務所(濵田義正所長)主催の第49回護法大会が10月3日、人吉市の人吉市カルチャーパレスであり、管区内の僧侶や檀信徒ら大勢が参加した。
護法大会は毎年10月に、県内各組寺を持ち回りで開かれ、今年は城南組寺会が担当。開催地の人吉市や周辺の八代市、芦北町、球磨村、相良村の球磨川水系では4年前の令和2年7月の集中豪雨で13カ所が氾濫・決壊し、多くの方々が亡くなり、本年の護法大会は「いのちに合掌・十萬返のお題目」と題し、豪雨をはじめ様々な自然災害により犠牲となられた方々への追善供養と復興を祈る大会となった。
大会は、寺庭婦人会と檀信徒有志による法華和讃と仏教賛歌のコーラスで始まり、山口義人・前布教師会長が法話。引き続き濵田所長を導師に「令和2年7月豪雨犠牲者追善供養法要・復興祈願法要」が厳修され、参加者全員で犠牲者へ追悼の誠を捧げるとともに、被災地の復興を祈った。
また、法要後には身延山久遠寺副総務・布教部長の豊田慈證僧正による「見えない物を見る心」を演題とした高座説教もあった。
さらに、導師を務めた濵田所長らは、会場近くの球磨川に場所を移し、紙塔婆と回向文を流しながら読経し、あらためて犠牲者の霊を弔った。