全国の通信記事
2026年5月21日号
愛媛 四国寺庭婦人研修会
【愛媛】四国四県の寺庭婦人が一堂に会し、教養と親睦を深める「四国寺庭婦人研修会」が五月二十一日、愛媛県松山市の大法寺(関谷泰純住職)において開催され、二十名が参加した。
当日は雨が心配される曇り空となったが、一歩本堂に入ると、久しぶりの再会を喜ぶ寺庭婦人たちの温かい笑顔に包まれた。はじめに、大法寺住職であり第33選挙区宗会議員でもある関谷住職を導師に、法味言上が厳粛に執り行われた。本堂でお題目を一心に唱和し、研修会の無事円満を祈念して、厳かに幕を開けた。
本年度の研修は、俳都・松山にふさわしく「俳句」をテーマとした。愛媛新聞カルチャースクール講師や福祉施設の俳句サークル講師を務める高須賀眞美子先生を講師に迎えた。高須賀先生は夏井いつき組長に師事し、俳句集団「いつき組」の組員として、広く「俳句の種蒔き活動」を行っている。講演は『俳句のあるくらし』と題して行われた。
高須賀先生は「俳句は決して難しくない。誰もが今日から俳人になれる」と優しく語りかけ、五・七・五の定型や季語の基本を丁寧に解説。さらに、先に作った日常の十二音に五音の季語を組み合わせる方法を紹介した。これは「取り合わせの型」と呼ばれ、初心者でも簡単に作句できるコツだという。
今回は実際の作句こそ行わなかったが、参加者たちは配布された季節ごとの「五音の季語集」を熱心に見つめ、高須賀先生の温かく軽妙な語り口に引き込まれていた。参加者は、お寺の豊かな四季や日々の檀信徒との対話など、何気ない日常の一コマを俳句の題材に昇華させるプロの着眼点に深い感銘を受けた。そして、手元のノートに熱心にメモを走らせていた。
雨の心配を吹き飛ばすような温かい拍手と笑顔に包まれた本研修会は、お寺を守る女性としての感性を研ぎ澄ます実り多き一日となった。
2026年3月11日号
愛媛 東日本大震災慰霊
【愛媛】東日本大震災の発生から13年を迎えた3月11日、愛媛県管内各地において、震災犠牲者への慰霊と被災地の早期復興を祈念する行脚が営まれた。宇和島市の法円寺(清家静元師)周辺では、僧侶らによる力強い唱題行脚が行われ、地域住民と共に祈りを捧げた。
愛媛県管内では、震災の記憶を風化させず、被災地に寄り添い続ける活動として、毎年この日にあわせて各地で慰霊行脚を継続している。本年も「慰霊と復興祈念」を掲げ、団扇太鼓の音とともに、お題目の声が街中に響き渡った。
今回の行脚では、同寺が運営する立正保育園の園児たちも出発前と到着した際の一読に手を合わせた。住職らは園児に対し、震災の悲劇や命の尊さについて分かりやすく説法を行った。特に「命に合掌」という言葉を掲げ、今ある命の大切さと、他者を思いやる心について語りかけると、園児たちは真剣な表情で耳を傾け、共に手を合わせていた。
参加した僧侶の一人は、「毎年この日に歩くことで、震災の教訓を次世代に繋いでいきたい。子どもたちにも、合掌の心を通じて命の尊さを感じてもらえれば」と、行脚の意義を強調した。
慈悲の行脚は、春の兆しが見え始めた宇和島の街を、静かな祈りの中に包み込んでいた。
2026年2月24日号
愛媛 被爆体験伝承講演
【愛媛】2月24日、愛媛県四国中央市の経王寺(豊岡町大町)において、広島から渡部公友師を講師として迎え、「被爆体験伝承講演」が開催された。日蓮宗愛媛県教師の会が主催した本講演には、僧侶13名、檀信徒10名の計23名が参加。終戦から80年を過ぎ、被爆体験者が減少の一途を辿るなか、語り部としての使命を担う渡部上人の言葉を通じ、参加者は平和への誓いを新たにした。
被爆体験伝承者とは、自らの体験ではなく、被爆者の足跡や体験、そして想いを代弁して伝えるという形で講話を行う。講演では、実際に被爆された上田さんの足跡に基づき、原爆の凄まじい威力と悲惨な被害状況が詳しく述べられた。中学生の時に被爆した当事者の8月6日、7日の行動を丹念に辿り、平和記念館に足を運ぶだけでは決して知ることのできない「生身の体験」を語った。
被爆体験者は本来、自らのつらい記憶を呼び起こすことを忌避し、語りたがらない傾向にある。しかし、渡部上人は、あえてその苦しみをなぞりながら語り続ける。その真摯な話しぶりは、聴講者に「核兵器廃絶と不戦を訴える、魂の警告」として重く響いた。参加者の一人は、「あまりにリアルなお話に、言葉を失った。当事者でなければ分からない悲惨さがそこにはあった」と、沈痛な面持ちで語った。
講演後の意見交換では、平和に向けた具体的な取り組みについて議論が交わされた。教師の会会長八竹成奉師は、単に戦没者を追悼するだけでなく、争いのない世界を目指して努力し続けることが宗教者の責務であると強調。
四国中央の地に蒔かれた平和の種は、参加者一人ひとりの胸中で、不戦の誓いとして深く根を張った。



















