2023年12月23日
大阪三島 しめ縄づくり
【大阪三島】12月23日、高槻市一乗寺(森川誠玄住職)では役員12名が出仕して、毎年恒例のしめ縄づくりを行なった。しめ縄には長く柔らかいもち米の穂が適しているが、同寺護持会長松永喜雄氏は毎年これを奉納するために手間がかかり需要の少ないもち米を栽培している。同氏によればこの奉納と作業は「少なくとも祖父の代からは続いている。」とのことで、信仰と護寺の精神が継承されていることがうかがえる。
最も難しいのは「息を合わせること」と参加者は語る。風雨にさらされるしめ縄を一年間保たせるためには、しっかりと絞め込むことが肝要であり、そのためには複数の人が阿吽の呼吸で切れ間なく作業を進める必要があるためだ。
すぐに習得することは難しいが「信仰とともに技術を次の世代に伝えたい」との思いが参加者の心にはある。
作業は6時間に及び諸堂にしめ縄が納められたが、最大の見せ場は「弁慶の駒つなぎ」と呼ばれる境内の大楠木への納めであった。この楠木は樹齢800年と推定され、総高さは30メートルを超える。梯子を用いて全員で行う作業は大掛かりであったが、青々とした新しいしめ縄が無事納まった際には、皆の満足げな表情を見ることができた。