2016年4月23日
栃木 蓮性院本堂落慶奉告式
【栃木】4月23日午前11時より、塩谷郡高根沢町の蓮性院(中田法璋住職)に於いて、本堂落慶奉告式が営まれた。新緑萌える初夏の清々しい季節の下、僧侶と檀信徒約100名が参列。荘厳された堂内には僧侶たちの厳かな読経の声が響き渡った。
同寺はかつて芳賀町にあったが、明治期に堂宇を現在地へと移築。大正期になって四間四面の本堂を建立し、その後檀信徒の増加に伴い、昭和46年同寺3世本地院日啓上人が増改築を施したが、先の東日本大震災で被災。本堂は著しい破損のため使用不可となり全壊扱いとなった。高根沢町一体も被害が大きく、多くの檀信徒も被災していたため、震災直後は現状回復か再建かで何度も役員会が開かれたが結論には至らなかった。しかし全国より宗門を通じて沢山の義捐金が寄せられる中で、平成24年2月、中田住職をはじめ檀信徒たちは強い覚悟を以て再建を決意、工事は金剛組が請け負い昨年7月竣工、そして今回の落慶を迎えた。
管内寺院を代表して横山真康栃木県宗務所長は「この本堂は中田上人と檀信徒さんたちの信仰の発露であり、深い理解と協力、そして清くて尊い力によって成し遂げられたものです」とその偉業を讃え、祝意を述べた。最後に謝辞に立った中田住職は再建までの長い道のりを思い返すように、ご加護を頂いた仏祖三宝諸天善神、そして自分たちが被災しながらも物心にわたり多大な貢献をしてくれた檀信徒、また義捐金を頂いた宗門をはじめ全国の方々に深い感謝の念を述べると共に、お題目が響き渡り、檀信徒たちの心を落ち着けるような寺にしていきたいと抱負を語ると、堂内は拍手と温かい雰囲気に包まれ無事円成となった。その後法要に続いて、尺八奏者の福田智久山氏らによる琴と尺八の邦楽演奏会も開催され、盛大な落慶に花を添えた。