全国の通信記事
2019年8月7日号
秋田 寺子屋キャンプ
【秋田】令和になって初めての寺子屋キャンプが8月7、8日に横手市妙倉寺(山田恵祥住職)で開催された。14回目となる今年は「絆を深めよう」をテーマもと、小学生16名、中学生以上のスタッフが8名の参加となった。また、千葉県松戸市で行われている布教研修所から6名の僧侶がお手伝いに駆けつけた。猛暑の中での開催だったが、暑さに負けず真剣に仏前作法や足の痛みに耐えながら唱題行をし、外部から講師の先生を招き編み物など様々な遊びを楽しんだ。16名中10名が初参加、そして県外からの参加者もおり、初めて会う子供たちが多かったが、この寺子屋での生活の中で絆を深め合い、キャンプ終了後の寺子屋祭りではみんな仲良しになったようだ。災害等により、人と人との繋がりが大切になっている昨今、誰とでも力を合わせ絆を深め合える第一歩をそれぞれが歩み出したようだ。
2019年5月26日号
秋田 日本海中部地震第37回忌追善法要
【秋田】日本海中部地震から36年、海岸に慰霊のお題目響く
日本海中部地震の発生から36年目を迎えた5月26日、秋田県宗務所(柴田寛彦所長)は「日本海中部地震第37回忌追善法要並びに国土安穏祈願法要」を行った。法要には僧侶檀信徒合わせて25名が参加し、津波による被害者を出した第1会場(能代港)と第2会場(加茂青砂)を巡って、慰霊のお題目を海へと響かせた。また当日は、秋田県修法師会(阿部龍翔会長)による国土安穏祈願祈祷も行われた。
36年前の5月26日、穏やかだった日本海が豹変した。能代港では、東北電力能代火力発電所の用地造成や港の護岸工事中に35名が、また加茂青砂では遠足に訪れていた小学生13名が津波に襲われ尊い命を失った。日本海側は太平洋側に比べると津波被害の経験が少なく、地震発生時も津波に対する策が十分に取れていたとは言い難い状況であった。秋田県では、昭和14年に男鹿地震が発生している。その際には加茂青砂には津波が来ず、山で起きた土砂災害の落石事故で被害者が出た。そういった過去の経験から、山に逃げるという避難行動の遅れが生じたとも言われている。当日参加した檀信徒は「テレビで当時の状況や津波被害者の事を知り、亡くなった方達にお菓子をお供えしたいと思った。海がキラキラして、子供達はこの海を見ながらお弁当を食べていたのかなと、実際に現地を見て感じる事ができた。」「子供達に会えたようで嬉しい。お坊さん達と一緒にお題目を唱えられて本当に良かった。」と海に向かって熱心に拝んでいた。秋田県内では高齢化が進み、災害発生時の避難行動は難しさを増している。いざというとき、自分と家族の命をつなぐために何ができるのか、何をすべきなのか。日常が災害と常に隣り合わせであることを忘れてはならない。
2018年12月6日号
秋田 檀信徒研修会
【秋田】檀信徒研修会 『グリーフケア(悲嘆支援)を学ぶ』
12月6日、秋田ゆとり生活創造センター「遊学舎」にて日蓮宗秋田県伝道会(柴田寛彦会長)主催の檀信徒研修会が開催された。当日は、檀信徒と僧侶及び寺庭婦人、合わせて52名が参加した。
人生において、誰もが一度は大切な人との別れを経験する。深い悲しみに心が捕らわれてしまう時期だが、ここで重要なのが、『グリーフワーク(喪の作業)』である。
今回はこの『グリーフワーク』をすすめるために周囲が行う援助、『グリーフケア(悲嘆援助)』にスポットを当て、研修を行った。
第1部では長野県大法寺住職藤塚義誠上人より「大切な人を亡くすということ~悲しみをいやす道すじ~」と題した講演、第2部では5つのグループに分かれてグループワークが行われた。講演では、資料を元に悲嘆のプロセスや大切な人を亡くした方への対応について学び、多くの受講者が頷きながら熱心にメモを取っていた。
グループワークでは僧侶檀信徒が入り混じり、各々の体験談や講演を聞いて思ったこと等を自由に語り合い、大いに盛り上がった。参加した檀信徒からは、「悲しんでいる人への声掛けの難しさを痛感した。そして自分が亡くなった後の家族の事を考える良い機会になった。今後機会を見て住職さんにも相談したい。」「夫婦の片割れを亡くした辛さは当人しかわからない。どう悲しみと向き合っていくのか、大変勉強になった。」という声が聞かれた。
今回の研修会で、初めてグリーフケアの大切さと難しさを知ったという方が多くいたが、どの参加者も今回得た知識を、自身や友人等に悲しみが訪れた際どのように生かしていくか深く考える良い機会となったことは間違いない。