全国の通信記事
2023年12月4日号
神奈川1 教師研修会「宗教法人の寄付行為について」
【神奈川1】令和5年12月4日、神奈川県第一部宗務所事務所(菊名 妙蓮寺会館)にて、教師大会の中で、日蓮宗顧問弁護士 服部 功志師(藤沢市日蓮宗 常立寺住職)を講師に招き、「宗教法人の寄付行為について」の研修会が開かれた。教師大会に集まった32名の教師が参加し、寄付行為についての法律への理解を深めた。
服部師は、「旧統一教会問題と法人寄付不当勧誘防止法について 伝統教団はどう考えるべきか」という研修テーマを掲げ、不当勧誘防止法の全文について、重要なポイントを要約して説明した後、寺院教会結社の運営にて起こりうる具体例を挙げて、各例に示された行動が法律に抵触するかどうかを、参加者に問う形で講義を進め、参加者はただ聞くだけではなく、自ら考える機会を得て理解を深めていた。
研修の最後で服部先生は、旧統一教会問題は決して他人事ではなく、伝統教団が社会の悩みや苦しみの受け皿になれていないことに起因する問題であるととらえるべきである。昨今、宗教全体に対する世間の目は厳しくなっており、より一層の清廉性・透明性・自浄作用が求められており、宗教の価値を積極的に発信し、カルト被害対策にも関与していく必要性を訴えた。
結びに、安藤宗務所長から、「やみくもに法律を恐れず、それを理解することが大切である。服部先生は、僧侶の目線で話してくれて、とにかくわかりやすい。正しい知識を身につけることは大切であるが、日蓮宗の僧侶である服部師がいるので、自ら判断を下す前に、少しでも不安や疑問があれば、気軽に相談するように」と総括した。
2023年10月18日号
神奈川1 常照寺 御会式と開山150年記念コンサート
【神奈川1】10月18日(水) 、横浜市常照寺(伊東隆司住職)で、お会式と開山150年記念「命と平和」コンサートが開催され、檀信徒・近所の人・常照寺有縁の人など、300名を超える人が参加した。常照寺は今年、開山150年の節目を迎え、その記念として、お会式法要の後、本堂内の特設ステージにて、沖縄民謡をもとに多くの曲を生んだ、喜納昌吉(きな しょうきち)氏、沖縄アクターズスクール第一期生の吟呼(ぎんこ)氏、浦崎芳郎(うらさき よしろう)氏の3名によるコンサートが行われた。参加者は、三線やギターによる民謡独特なリズムやメロディー、歌詞に耳を傾けながら、大いに盛り上がった。
午後2時 隆司住職導師のもと、伊東泰仁副住職と伊東政浩師を副導師として、他6名の僧侶と共に、第742遠忌お会式法要が始まった。法要中に市会議員 遊佐大輔氏の挨拶があり、その後も終始厳粛に法要が営まれた。法要後、隆司住職から檀信徒に向けた挨拶があり、小休憩を挟み、泰仁副住職の挨拶、県議会議員 新堀史明氏の挨拶の後、コンサートが始まった。昌吉氏らと縁深い政浩師が司会進行を務め、まずは浦崎芳郎氏により、三線を弾きながら、「島唄」、「てぃんさぐぬ花」などの有名な曲の演奏がなされた。参加者は手拍子を打ったり歌ったりして、本堂が少しづつ沖縄ムードに包まれていった。その後、政浩師によるご紹介の後、喜納昌吉氏と吟呼氏が登壇。政浩師の司会、昌吉氏のお話、100歳を超えて元気な檀信徒2名の紹介、昌吉氏の恩師のお話などを挟みつつ、昌吉氏は三線やギターを弾き、吟呼氏は流れるような動きで踊りながら、二人で多くの曲を披露した。コンサートが進むにつれて、参加者の気持ちも上がり、代表曲である「ハイサイおじさん」や「花」の演奏の際には、参加者も一緒に踊ったり、歌ったりしながら、笑顔でステージに上がる場面もあった。昌吉氏の歌唱は「命と平和」というテーマの通り、とても元気で力強く、その歌詞には命の尊さや生きる喜び、人同士のつながり(縁)、平和への願いが込められたものであり、参加者の皆は昌吉氏の歌唱に元気づけられていた。
コンサートの中で、政浩師は、「第742遠忌のお会式に合わせて、開山150年記念コンサートが開催できたことは大変ありがたいです。喜納昌吉氏の歌と言葉は、法華経に通じるものがあり、昌吉氏のパワーを頂いて、世界が平和に、皆が元気になっていただければ」と語った。最後の曲が終り、本堂が大きな拍手に包まれた後、抽選会も行われ、参加者は皆、笑顔で元気に帰路につかれていた。
2023年8月22日号
神奈川1 大岡川施餓鬼法要流灯会
【神奈川1】令和5年8月22日 横浜市中区末吉町の「旭橋」際の大岡川河畔で、立正和協会(増田幸静会長)主催の「大岡川施餓鬼法要流灯会」が営まれ、100名の僧侶・寺庭婦人・檀信徒が参列した。昨年までは新型コロナウイルス感染症の影響で檀信徒の参加は見送られていたが、本年より例年通りの多くの檀信徒が参加し行われた。
今回で75回目を迎えたこの法要では、関東大震災や太平洋戦争で亡くなられた戦没者、近年頻発する地震・風水害等の天災の物故者、交通事故・水難事故等の都市災害の物故者、祖先を始めとする精霊の供養のために施餓鬼法要を営み、法要中に法号・名前を書いた灯籠を流し供養を行っている。
来賓の安藤海潤宗務所所長・柳下俊明宗会議員の挨拶の後、午後6時立正和協会会長導師のもと施餓鬼法要が開式。導師が表白文を読み上げた後、神奈川県第一部寺庭婦人会による和讃の奉唱が行われた。読経中、船上から約200基の灯籠が一つずつ丁寧に放たれた。 灯篭は風に煽られながらもゆっくり列を描き、集まったり離れたりしながら幻想的に大岡川を下った。 横浜の喧騒を忘れさせる雰囲気の中、道行く人々も足を止めて、手を合わせて灯籠の行く末を静かに見守りながら、諸精霊に供養の気持ちを手向けていた。