2016年5月28日
愛知名古屋 情妙寺にベトナムのグエン・スアン・フック首相
【愛知名古屋】5月28日、名古屋市東区情妙寺(林教一住職)に、ベトナムのグエン・スアン・フック首相が来寺した。
フック首相は、同日に名古屋で開催される伊勢志摩サミット拡大会合に参加するため来日中で、約400年にベトナムとの朱印船貿易をしていた尾張茶屋家とゆかりの深い情妙寺に「交趾国貿易渡海図巻(愛知県文化財指定)」と「滝見観音」があると知り、今回来寺した。
交趾国貿易渡海図巻は、長さ5メートル 幅80センチ程の絵巻図である。長崎を出港して交趾国(ベトナム)に至る朱印船の航海図であり、慶長17年(1612)に交趾国の国王に貢物を献上する様子が描かれている。
滝見観音は、茶屋家が交趾国国王に法華の信仰をお伝えしたところ、日本国興隆のために拝受したもの。貿易の帰路、暴風に遭遇した際に船員皆で観音経を読誦したところ、不思議と風雨が治まったと伝えられる。
いずれの宝物も茶屋家2代目の茶屋新六郎から情妙寺に奉納されたものである。ちなみに茶屋家は代々法華の篤い信仰を護っており、尾張茶屋家17代当主は、今でも情妙寺筆頭総代を務めている。
そのようなご縁から、林住職はベトナムの日本人町があったホイアンを5回訪れ、またベトナムからもダナン市長、ハノイ大学教授、日越歴史研究者の人達も情妙寺を訪れるなど、親善交流を続けていた。
フック首相は住職からの説明を受け、400年も前から日本との交流の歴史があったことに感動して帰られた。
林住職は「来寺前日の夜に突然連絡をいただき、お迎えするのに大変でしたが、フック首相に説明をさせていただき、大変有意義でした。これからも絵巻図を大事にお護りし、日越親善に努力していきたいです」と話していた。