2014年5月25日
寺庭婦人会研修で救急処置法を学ぶ
【山梨三】寺庭婦人会(佐野邦子会長)は五月二十五日、南アルプス市上市之瀬「妙了寺」(佐野顗誓住職)を会場に寺庭婦人会総会を開き、総会後の研修として、地域貢献の為に十五名が心肺蘇生法や災害時の応急処置方法、AEDの使用方法等の救急講習を学んだ。
救急講師として来ていただいたのは南アルプス消防署より清水さん、消防本部指令課より荻野さん、甲西分遣所より小林さんの三名で、研修では三組に別れて指導した。
最初に行ったのは人形を使っての心肺蘇生法で、心臓マッサージと人工呼吸の回数の割合「三十対二」という比率を学んだ。「三十対二」の「三十」とは心臓マッサージの回数で、「二」は人口呼吸の回数であり、この比率は全世界での心肺蘇生法の臨床結果で、今現在、最も蘇生確率の高い数字と言われている。これを元に寺庭婦人の方々が人形を使って実際に心臓マッサージを行った。力の加減は胸を5センチ以上押さなければ効果が無いそうだ。各々がマッサージをしている時に、テンポが違うのに気付いた一人が、テンポについて質問したところ、ゆっくりより少し早目の方が効果的と知った。
心肺蘇生法の割合やリズムを学んだところで、倒れている人を見つけた時の優先順位を学んだ。講師の清水さんは「心肺蘇生法は他人を助けるための方法であるが、何よりも自分の身の安全を一番に考えなければいけない。自身の安全確保をしてこその心肺蘇生法だ。」と語尾を強めた。どこで倒れているかが分からないので、「まず自身の安全を確認してから近づくこと」。「周りに助けを呼び、自分以外の人もかき集め、チームとして協力すること」。「意識、呼吸の有無を確認」。「119番通報。」「AEDを持って来てもらうこと。」「心肺蘇生法を実行する。」心臓マッサージは体力を使うので数人で交代しながら行うのが望ましいと説明した。
次に行ったのは三角巾を使っての応急処置法で負傷部位別の結び方を学び、最後に講師の清水さんより、東日本大震災時に自分自身が体験した、電気、電話、水というライフラインが全く無い状態、想像を絶する状況の中での救急活動の体験談より、「もし自分達の身に同じような状況が起こってしまった場合に備えての準備が大切で、その時自分達が持っている物で何が出来るか、今回この講習を機に皆さんに考えて頂けたら幸いです」と結んだ。
参加者達は、講師の方々の熱意のこもった指導に触れ、二時間という長時間の講習ながらも、時間が経つのも忘れ終始柔和な雰囲気の中で講習を受けた
講習の閉会にあたり主催者の佐野会長は、この日の為に駆けつけてくれた講師の消防隊員の方々に感謝の気持ちを伝えると共に、参加者たちに
「災害は忘れた頃にやって来ると云われていますが、近年はその災害が、全国各地で頻繁に起きています。今日講習を受けたことで、山梨県第三部寺庭婦人会にも随分と底力が付いたのではないかと思います。今日の講習が無駄にならないよう心掛け、生活していきましょう。」と述べ、幕を閉じた。