全国の通信記事
2023年9月14日号
秋田 盲導犬贈呈貸与式
【秋田】日蓮宗秋田県社会教化事業教会(藤倉信行会長)主催の盲導犬贈呈貸与式が9月14日、秋田県心身障害者福祉センターで行われた。式では、まず藤倉会長より「平成26年以来9年ぶりの6頭目の貸与となります。盲導犬が視聴障害者の皆さんと社会とのかけはしとなる役割を果たし、盲導犬がいるのが当たり前の光景になって、互いに助け合う世の中が実現することを願っています」と挨拶があり、続いて貸与者である小玉力さんに、北海道盲導犬協会(和田孝文会長)が育成したワァグ号が贈呈された。小玉さんからは「前回5頭目のいふう号も日蓮宗の皆さんから貸与していただきました。今回のワァグとはずっと一緒に過ごしていきたい」と謝辞を述べられた。この盲導犬貸与は約9年ぶりであり、平成4年から始めて以来今回で6頭目の贈呈となっている。又社教会として現在、北海道盲導犬協会と提携をしており、その理由として秋田県のような豪雪地域には如何なる雪道に対応出来る盲導犬でなければならない現状がある。その点について北海道盲導犬協会の場合、どのような悪路の雪道にも対応出来る訓練を行っているので、貸与者に安全に過ごして貰う事が出来るという背景がある。
閉会後に秋田駅前に移動し、社会教化事業協会会員を初め、小玉さん、秋田県盲導犬使用者の会の方によって、次回盲導犬貸与に向け募金活動が行われた。盲導犬は一頭が非常に高額である為に、これを毎年7月と9月に開催し、又秋田県内の日蓮宗寺院と、その檀信徒の協力による「1日10円運動」の募金活動、バザー活動などを行っている。今回の募金活動には老若男女問わず数多くの方が賛同をして募金する姿が見られた。
2023年9月1日号
京都1 大本山本圀寺で布教院
【京都1】令和5年度日蓮宗布教院が京都市山科区大本山本圀寺(早川日章猊下)にて9月1日から9月14日の間開設され、全国より布教師を目指す僧侶13名が研鑽を積んだ。
9月12日には、大導師に布教院院長 早川日章猊下、脇導師に布教院副院長 伊藤瑞康師(大本山本圀寺参与)、布教院主任講師 福井清周師(石川 立像寺住職)、講師 塚本智秀師(静岡 圓恵寺住職)、監事 上田尚史師(京都 護国寺住職)、式衆に院生一同の下、宗祖日蓮大聖人龍口法難会並びに布教院歴代先師報恩法要が営まれた。檀信徒や信者合わせて約50名の方々が参詣され、お題目が堂内に響き渡った。
引き続き、卒業試験を兼ねた高座説教が執り行われた。この度卒業試験に臨まれたのは今回の布教院で部長を勤める兵庫県妙法寺住職 園田尚弘師。「心の鏡に映るのは」と題してお話をされた。高座に上がられる前に園田氏は「積み重ねてきた以上のものは出ませんので、今までと同じように一生懸命勤めさせて頂き、宗祖また布教院で練磨されてきた先師の御心に添えるような高座が出来ればよい」と穏やかな表情で語った。高座説教に上がられた園田氏は張り詰めた雰囲気がある中で、一人ひとりを見渡すようににこやかな表情でご挨拶をされ、聴聞者の心を掴むように初めて布教院に入ったきっかけから話出された。日蓮聖人と日朗上人の子弟関係の熱い思いが描かれた繰り弁に移ると、その感動的な場面にハンカチで涙を拭う方が見受けられた。最後に園田氏は「鈍刀をいくら磨いても名刀にはならない。しかし、磨く本人は変わっていく。私は名刀にはなれなくとも、それを磨き続ける人になりたい。仏さまはその心を見守って下さると信じております。皆様にも心の鏡に映る自分自身を磨き、法華経、お題目のご修行とご信仰をお勧め申し上げます」と締めくくられた。
名古屋から来られた女性は「高座説教が好きで、身延で行われた祖伝リレー高座説教にも行きました。貴重なご法話を聞けて大変有難く思います。」また涙されていた女性は「奈良から来ました。すごく良かったです。日朗上人の感情がとても伝わってきました。祖母の代から日蓮宗と繋がりがあり、このようなお話を聞けたご縁に感謝しています。」と語った。
聴聞する人がいてくれるからこそ、高座説教をすることが出来る。院生達は全国より足を運んでくださった方々に感謝の念を忘れることはないだろう。布教院での研鑽を糧に、宗門興隆を担うべく、それぞれの自坊に戻っていった。
2023年8月28日号
静岡中 教師大会「防災を考える」
【静岡中】日蓮宗静岡県中部宗務所(塚本智秀所長)は8月28日、「防災を考える」をテーマに、静岡市中島屋グランドホテルのホールで教師大会を実施した。
講義の第一部では、中條日有猊下により、本山海長寺蔵の『日海記』の内容が紹介され、明応7年の大地震により発生した津波の被害や当時の様子を解説し、それを受けた第二部では損保ジャパン静岡支店のスタッフにより、具体的な自然災害への予防策として保険の重要性や実例を踏まえた保険運用について講義が行われた。
塚本所長は挨拶で譬喩品第三の「甚だ怖畏(ふい)すべし」の経文を引用し、「災害が過ぎ去ったことを「よかった」で済ますのではなく、畏(かしこ)まって怖れ、次に備えることこそが重要だ」と述べた。
県内では、令和4年台風15号の浸水被害や熱海山の土砂災害により防災への関心の高まりがあり、参加教師は熱心に聴講し多数の質問も飛び交った。