2024年4月17日
千葉南 勝浦市本行寺で上総五十座
【千葉南】勝浦市伝統の説法会「上総五十座」が、本行寺(西川佳璋住職)で4月17日から5日間にわたって開催され、延べ500人近い僧侶檀信徒が聴聞に訪れた。
今年の後座上人(説教師)には北海道厚岸町から森脇智亮師(法華寺住職)が迎えられ、5日間の高座説教で日蓮聖人一代記を御入滅まで演じた。森脇師が五十座の高座に上がるのは12年ぶり2回目のこと。
五十座期間中は毎日午後2時の高座説教までの間に、前座・中座が諷誦の読み上げを行い、合間には会場寺院や団参の踊り子達によって踊りが奉納されるなど和やかな時間が過ごされるが、後座上人が登高する段になると一転、堂内が神妙な雰囲気で満ちるのは五十座特有の風情がある。
最終日の21日には、高座説教に先立って結願法要が営まれた。20人の天童稚児が着飾って勝浦商店街を練り歩き、法要中には全員で献花を行った。天童代表が祭文を読み上げると、堂内には温かな拍手が湧き起こった。
本行寺には池上本門寺から分与された日蓮聖人の御真骨(歯)が奉安されているが、五十座の開催に際し特別に公開された。聴聞に訪れた檀信徒らは祖師の御真骨を間近で拝観することができた。
上総五十座は、天文19年(1550)、池上本門寺第11世・日現上人が、本門寺と比企谷妙本寺両本山復興のため勝浦で大布教を行ったことに由来し、現在では市内の7ヵ寺(本行寺・長慶寺・惠日寺・本壽寺・法蓮寺・妙潮寺・津慶寺)が輪番で開催している。来年は長慶寺(小澤玄松住職)で開催される。