2024年1月17日
兵庫東 史年会が阪神淡路大震災慰霊法要
【兵庫東 】青年会は、1月17日神戸市中央区東遊園地にて、阪神淡路大震災発生29年目の慰霊法要を行った。今年度は全国日蓮宗青年会の塩田会長を始めとした日青会会員の参加があり、計12名の参列となった。発生時刻である午前5時46分に黙祷し、物故者の霊位に読経回向した。その後、震源地に近い淡路島・岩屋漁港に向かい、海難物故者の追悼法要を営んだ。「震災から29年を経て、あの震災を知らない年代の人々が段々と増えてきている。だからこそ、想いを風化させてはならず、続けていかなければ」と清水青年会会長は語った。かの震災から四半世紀が過ぎた今、1.17の地震を『実感』としてではなく、ただの『知識』としてしか知らない世代が多くなってきている。『知識』となってしまえば、あれだけのことが起きたにもかかわらず、震災をただの災害の一つとしてしか認識されなくなる。そうなれば、あの日に起きた悲しみ・嘆きの想いすらも、震災を知らない世代に伝わらず、忘れ去られてしまうのは想像に難くないだろう。
宗祖日蓮聖人は、息子を亡くした上野殿母尼御前の悲しみを、自らのものと同じように共に悲しみ、共に嘆き、その苦しみを分かち合ったとされる。震災によって焼け落ちた街は、今やその面影を神戸に探すのは難しいと言えるほど復興した。だが、『実感』として覚えている人々の心には、今でもその崩れ去った街が焼き付いている。震災の日に受けた惨事と痛みを分かち合い、想いを次の世代に伝えていくこと。宗祖の直弟である我々にとって、その行いの意義を、忘れてはならない。