2021年11月23日
山梨4 子安地蔵尊大祭
【山梨4】11月23、24日に甲州市立正寺において子安地蔵尊大祭が営まれた。紅葉深まる境内には多くの露店から活気に満ちた声と、祖師堂からは安産や子授けの祈祷の読経が響き渡る。子安地蔵尊大祭は今から約1300年前、行基菩薩が御親刻されたといわれる子安地蔵尊をお祀りし、地元では『おこやっさん』と呼ばれ大祭には安産祈願の底抜け柄杓(そこぬけひしゃく)を求める妊産婦、安産成就の御礼参り、子授け祈願・子孫繁栄・家内安全・五穀豊穣等を願う多くの参拝者で賑わい、晩秋の峡東地区を代表する祭りとして、最盛期には100件近い露店が連なっていた。本年はコロナの影響で2年振りの開催とあって稚児行列や夜間の法要は中止となったが、地元の子供たちや安産を願う夫婦はマスク越しでも笑顔が溢れていた。
立正寺は本年宗祖御降誕800年記念事業として江戸期に創建された庫裏の改修と耐震補強が行われ、4月に落慶法要が行われた。既存の大黒柱や大梁を生かし、約5年に渡る大事業が実を結び山梨県建築文化奨励賞を受賞した。大祭当日も檀信徒や参拝者からは生まれ変わった庫裏の概要に驚きと感動の声が見えた。
住職の岩佐宣寿上人は「コロナによって以前と同じお祭りが出来るまでまだ時間はかかるかもしれないが、改修された庫裏と並んで新しい歴史と信仰を一歩ずつ歩んで次世代に繋げられたらと思う。」と語られた。