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2017年3月26日

大阪市 大塩父子・殉難者第180年法要

大阪市170626 (2)【大阪市】3月26日(日)、北区成正寺(有光友昭住職)において有光住職を導師に大塩父子・殉難者第180年法要が営まれ、続いて記念講演が催された。法要・記念講演には「大塩事件研究会」(会長・薮田貫 兵庫県立歴史博物館館長、関西大学名誉教授)会員および関係者が多数参列し、記念講演は天理大学文学部歴史分学科谷山正道教授による「日本の近世社会と民衆運動」。社会経済の発展によって変化する民主運動の内容に、参加者はみな熱心に傾聴していた。
講演前に薮田会長より有光友昭住職の弟子で長男の友誠くんが法要に出仕したことに触れて「研究会の母体たる成正寺の後継が育成されているということに、大きな安心と喜びを感じる」と述べ、参加者も安心と笑顔で頷いていた。
大塩平八郎は日蓮宗の信者であり、北区末広町・成正寺を菩提寺と定めていた。大塩家の墓は乱後に廃墓とされたが、成正寺により密かに境内地中に埋蔵されていたものを明治期以降に再び建立していた。
昭和26年、菩提寺である成正寺を中心として大塩事件関係者の追悼・顕彰をつづけきた「大塩中斎先生顕彰会」が設立され、昭和32年には空襲で損傷した大塩中斎・格之助親子の墓碑が再興された。追悼と顕彰だけにとどまらず、事実に基づいた研究と調査、そしてその成果を市民に還元を目的として「大塩事件研究会」が設立されたのは昭和50年である。研究会事務局を成正寺内におき、ほぼ隔月で講演とフィールドワークが行われ、当時の幕末天保期の時代背景、社会経済や社会状況の変化などから多面的に事件を研究し、正に大塩中斎の遺志を引き継ぐ、伝えるような研究会としての活動を展開している。
天保8(1837)年2月19日大塩平八郎中斎(1793~1837)が幕府の役人と大坂の豪商の癒着・不正を糾弾し、摂津・河内・和泉・播磨といった広範囲にわたる地域の窮民救済を求めて、「救民」の旗を掲げて、天満の自宅から大坂城をめざし、幕政の刷新を期して決起したのが事件は日本国中を震撼させた。
作家葉室麟氏は大塩平八郎と同時代を生きた広瀬淡窓を主人公に取り上げた作品「霖雨」の中で、大塩の思想を「刀のよう」だと表現する。儒学者であり詩人でもある淡窓は大塩に違和感を覚えながらも注視する。「知ることは行うこと」という大塩の一挙に、淡窓は「遠回りをしても世に役立つ人材を育成する」という行動で応える。大塩の一挙は近世から近代への幕を切り落とし、淡窓の咸宜園からは明治維新の逸材たちを輩出することになる。
近代日本の礎となった偉人たち、知行合一の義挙を起こした彼らは、今日の社会情勢をいかにと思いを馳せてみるのである。

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