2016年1月19日
神奈川2 横須賀市大明寺で消防訓練
【神奈川2】横須賀市大明寺(楠山泰道住職)は一月十九日、文化財防火デーに伴う消防訓練を行い、山務員・檀信徒・付属の深愛幼稚園の先生や園児ら合わせて約百人が参加した。
同寺はこの訓練を隔年で行っており、「本堂から出火し、関係者によって初期消火活動を実施するも、初期消火には失敗する。火災は、本堂全体に延焼拡大の危険性があり、逃げ遅れ等の情報はない。その後、119番により先着した平作小隊が消防活動を開始し、大明寺関係者により、模擬重要文化財の搬出を実施する」(実施計画より)といった細やかな部分まで想定した訓練が行われている。
当日は、午前十時半、防火管理者の楠山泰智執事長の「火事だ!」という発声で訓練が始まり、山務員らが初期消火や逃げ遅れの確認、119番通報、文化財の搬出訓練を行った。その後、横須賀市中央消防署消防隊が登場し、放水。放水活動終了後には、参加者らが消火器を使った初期消火訓練を体験した。
最後に渡邉慎治横須賀市中央消防署長が、文化財防火デーが、昭和24年1月26日、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し,壁画が焼損したことに基づいていることを話し、参加者へ防火防災への協力を呼びかけ、楠山泰智執事長が「何よりもまず人命、そして文化財を大切に、怠らず訓練をしていきたい」と述べて、訓練を終了した。
楠山泰道住職は「実際の火災ではどうなるかわからない。大切な命や、歴史のあるお寺や文化財を失わないために、こういう訓練をし続けていくことが必要だと思います」と話している。