2015年5月26日
秋田 日本海中部地震第33回忌海岸法要
【秋田】日本海中部地震から32年目を迎えた5月26日、宗務所(柴田寛彦所長)主催の『日本海中部地震第33回忌海岸法要並びに国土安穏祈願法要』が行われた。
当日は、県内でも甚大な被害を受け多くの死者がでた能代港と、男鹿半島にある加茂青砂海岸にてそれぞれ法要が行われた。県内僧侶と檀信徒合わせて約50名が参加した。
32年前の日本海中部地震では、マグニチュード(М)7.7の地震が秋田を襲い、能代港で工事中だった作業員35名、加茂青砂海岸に遠足に来ていた小学生13名が津波によってその尊い命を失っている。
今回の法要では犠牲者の冥福を祈ると共に、秋田県修法師会(阿部龍翔会長)による国土安穏祈願祈祷も行われた。
柴田所長は、「32年前に多くの命が失われたこの場所で、僧侶檀信徒共にお題目をあげられた。必ず、亡くなられた方々に届いたと思う。震災で傷ついた大地にも癒しのお題目がしみ込んだ事と思う。」と話した。
参加した檀信徒は「法要中、能代港では蝶が沢山飛んできた。加茂青砂海岸では、船が何度も前を通った。津波に飲まれた子供たちの魂が乗っている様で、胸が熱くなった。」と述べ、目頭を押さえていた。
地震といえば、4年前に太平洋側で起きた東日本大震災が記憶に新しいが、日本海側で起きた地震では最大級の物が32年前の日本海中部地震である。時間の経過と共に薄れゆく震災の記憶だが、今現在も日本の各地ではいつ起こるとも知れない地震への恐怖に満ちている。現代に生きる私達こそ、震災を過去の出来事とせず地震大国日本で生きてゆく為の教訓としていかねばならないだろう。