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2014年12月18日
鎌倉安国論寺で貴重な遺構発掘
【神奈二】鎌倉市安国論寺(玉川覺祥住職)は昨年十二月十八日、境内で見つかった鎌倉時代の井戸の遺構などを報道陣に公開し、発掘調査の報告が行われた。
同寺本堂北側に観音堂を建立するため、二〇一二年発掘調査を実施。井戸は十三世紀前半に掘られたものとみられ、周囲には柱の痕跡があり、有力武士の館があったと考えられる。
また、それより上の層から十四世紀後半の大規模な埋め立て工事跡が見つかり、一三三〇年ごろに焼かれた瀬戸の壺やかわらけ、鉄製の壺などが出土した。担当者は、「これらの遺物は大規模な土木工事の地鎮祭に用いられたものではないか」と説明。鎌倉時代以降も、この地に有力な権力者が存在していたことを示しているという。
井戸は埋め戻さず、その上に観音堂を建て、遺構まで下りて見学できるようになっている。玉川住職は「鎌倉時代の貴重で珍しい遺跡なので、なんとか保存したいと考えた。準備が整ったら、一般公開も考えたい。」と話している。