2013年9月27日
檀信徒研修会開催
【栃木】9月27日~28日、栃木県宗務所(横山真康所長)は檀信徒研修会を日蓮宗宗務院・池上本門寺に於いて開催し、僧侶と檀信徒あわせて59名が参加した。栃木県では毎年、管内寺院を会場に、檀信徒研修道場を開催しているが、本年は、宗務行政の中枢である宗務院を会場に選んだこと、また参加対象を総代・世話人に限定したことで、今後檀信徒の指導的立場となって住職、そして宗門を支えてくれる次世代の人材育成に焦点を当てた内容となった。
開会に際し横山所長導師に法味が言上された後、中井本秀伝道部長が挨拶。その後、浜島典彦身延山大学学長(修性院住職)を講師に「法華経のこころ-法華経に生きた人々から学ぶ」と題する講話を聴講した。浜島師は平安から鎌倉、室町そして近現代と、時代変遷を辿りながら、その時代の政治・文化に多大な影響を与え続けた法華経の精神性、及び法華経信仰に生きた人々について、経説や時代精神、逸話を交えながら解説。最後に「法華信仰に裏打ちされた先人の生き方を大いに学び、法華経、そしてお題目の力を頂いて、忍土とされるこの現実社会に、安寧なる社会を実現させるべく、懸命に生き、僧俗が一体となって取り組んでいかければならない」と結んだ。柔らかい語り口ながらも真剣な眼差しで語りかける浜島師に、参加者たちは頷いたり、メモをとりながら熱心に耳を傾けていた。
その後、全員での法華経の読誦を経て、佐藤ゆかり参議院議員の講話となった。登壇した佐藤氏は、自身の専門分野である、経済に関する講話を行い、市場のグローバリズムと産業界の新陳代謝が進む社会情勢に言及しつつ、「伝統とは生きもの」であるから時代に応じた在り方を模索し、人々を惹きつける努力を重ねることが大切であると訴えた。その上で、心の育成や健全な社会づくりに関し、仏教が担うべき役割に期待しつつ、自身も国会議員という立場から応援していくことを述べて、講話を締めくくった。夜は会場を移して講師の浜島典彦師、佐藤ゆかり氏を交え、和やかな雰囲気の中で懇親会が開かれ、1日目の日程が終了。2日目は、池上本門寺に全員で参詣し、御開帳及び山務員による諸堂案内を経て、研修会の全日程が無事終了した。