2021年9月17日
福井中 教師研修会「葬式仏教正当論」
【福井中】令和3年9月17日、福井県鯖江市、サンドーム福井を会場に福井県中部教化伝道センター主催教師研修会、「葬式仏教正当論」を表題に行われ、
講師に東京都善應人住職、山口県立大学教授鈴木隆泰上人の講演を頂き、県内教師約30名が参加し
た。
葬式仏教とは本来の仏教の在り方から大きく隔たった、葬式の際にしか必要とされない現在の形骸化した日本の仏教を揶揄した表現である。
本来のインド仏教では在家の方々の葬儀を執り行うことが禁じられていた。
出家者になる条件として一切の生産、社会的活動から離れ、自らの修行、涅槃を目指す者たちであり、死後の安心という観点から民衆の心を癒すことはなかった一因として、一度仏教は滅んでしまった。
そしてまた仏教が広く伝わるようになり、
日本にも伝わり、古事記にもあるように、死者の魂には死に起因する穢れ(死穢)が付着し、浄化しなければ悪霊(たたりがみ)になりうるが、供養し祀れば祖先神、善神になるという日本独特の考え方により、日本仏教が発展していき、現在のものになった。
原始仏教から様々な経緯を見て、現在の日本仏教を見ていくと葬式仏教というものが、決して間違いではないということがわかる。
参加者からは「大変興味深く有意義な講義でした」との声が聞こえた。