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2017年4月2日

大阪市 正蓮寺川公園開園記念式典

大阪市170523 (1)【大阪市】此花区内で進む正蓮寺川公園(仮称)建設工事の一部区間工事が完了し、前田昌則此花区長はじめ地元関係者多数を招いての開園記念式典が4月2日、千鳥橋の東側で開かれた。記念式典では(仮称)の文字が取られていた。
かつて正蓮寺川で行われていた川施餓鬼は日本三大川施餓鬼のひとつとして300年に亘る伝統があり、大阪市指定無形民俗文化財「伝法正蓮寺川施餓鬼」(此花区・正蓮寺)の舞台でもあったが、戦後復興・高度成長期を経て水質悪化が深刻となり、地域住民からも河川改良の要望が早くから上がっていた。
正蓮寺川公園の建設は大阪府と大阪市、阪神高速道路が取り組む「正蓮寺川総合整備事業」の一環。この整備事業は高速道路のトンネルを正蓮寺川の河道地下に構築し、正蓮寺川を地下水路として埋設するとともに、地上表層部分を公園として河川・道路・公園をセットとして一体整備するというものだ。完成すると総面積は18.8ha、延長2.6kmとにもなり、市内有数の広さを誇る公園となる。今回開園されたのは千鳥橋から東の約1.4ha、長さ約230m部分が先行オープンした。
式典の挨拶の中で前田区長は「この公園は区内中心部を東西に貫いているため、多くの区民がどこからでもアプローチしやすい」と公園の特色を報告した。
かつての大阪は八百八橋と言われ、天下の台所として日本の経済の中心地であった。その経済を支えてきたのが大坂の街を縦横に走る水路であり、全国に突出した水運の発展でもあった。
上方だけではなく日本全国の経済を支えた川は市民にとっても生活の場そのものであり、特に夏の天神祭と伝法川施餓鬼は対となって「暑い暑いは天神祭、あついあついは施餓鬼まで」と風物詩として親しまれてきた。
地域振興会の宮川晴美会長は「(式典を開いている)ここらが海水と淡水が混じり合うところで、ジェーン台風の時にはフグやサヨリ、大きなコイやフナが見つかって驚いた。四手網が並ぶ漁は春の風物詩、夏は子供たちが橋から飛び込んで下流まで泳いだ」と往時の正蓮寺川の様子を懐かしく紹介し、「先人たちが行政に掛け合って総合整備事業を立ち上げてくれたおかげであり、その功績に感謝し、公園を利用して地域コミュニケーションを図っていこう」と述べて地元出席者の共感を呼んだ。
此花区では役所内に事業戦略課を新設し、公園を利用した街づくりに取り組む方針である。今回の開園は区民長年の願いが、ともかく一部ながらようやく実現した形となった。
正蓮寺川で行われていた伝法川施餓鬼は整備事業推進のため、現在では新淀川に場所を移して行われている。川は大阪経済の象徴であるとともに文化の象徴でもある。輸送手段が水運から陸運へと移行する中で役割を終えた水路が多く埋められて、地名にのみ残るものも多い。
正蓮寺川は寺名を河川名称にする河川で、府下では4河川、大阪市管区では正蓮寺川のみである。特に正蓮寺川は前述のように川施餓鬼という宗教的伝統文化を支えてきた川だけに行政と地域、正蓮寺川の整備事業に関わる人たちの思いも様々である。それだけに宮川会長の挨拶の言葉には正蓮寺川への地域住民としての思いが強く感じられた。
隣接する自治会の代表者による記念植樹ではソメイヨシノが植えられていた。やがて桜が並木として大きく育ち、美しい花を咲かせる頃、正蓮寺川公園は地域住民の憩いの場所として、生活の場所として、名所として、文化の象徴として、そしてコミュニケーションの場として新たな都市型河川公園のひとつの例を提示できるのだろう。

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新年のご挨拶。

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