オピニオン
2016年12月20日号
ハロウィーンが終わったらあっという間に
ハロウィーンが終わったらあっという間にクリスマスのイルミネーションが街を飾る。日本はキリスト教国かとまごうばかり。もっとも、聞いたところによると、仏教国だと思っていたタイでもイスラム教人口が増えてきて、単純に仏教国とは言えなくなってきたという▼キリスト教もイスラム教も、ユダヤ教に由来する一神教である。この一神教と仏教とは根本的に異なる。最も大きな相違点は、神あるいは仏と、人との関係だ▼一神教では、人は神によって創られたものだという。たとえば神である陶工が土をこねて人という壺を創ったとき、その作品の出来が悪くて気に入らなければ、神は人をたたき割ってしまうかもしれないのである。従って人間はどこまでも神に従順に、神のために尽くさなければならない▼対するに仏教、特に法華経では、仏は衆生を成仏させるという一大事の因縁の故にこの世に現れ教えを説かれた、つまり仏は人間のために存在するのだと説く▼今ここで仏教と一神教の優劣を論ずるつもりはない。ただ、その国の文化というものを考えるとき、長い年月にわたって伝えられてきた習慣や国民性、そして宗教観などが混然となって今があるということを忘れてはならないといいたいのである。仏教徒としてはハロウィーンとクリスマスの間、十二月八日は釈尊成道会の聖日であることを、しっかり胸に抱いて欲しい。(直)
2016年12月18日号
青森県南部地方で星祭り祈祷
【青森】青森県南部地方で古くから伝わる星祭り祈祷会が始まった。12月18日の田子町光明寺(川上洋行住職)を皮切りに、冬至の前日には五戸町妙信寺(田中康勝住職)、冬至には三戸町妙光寺(鳥谷部隆祥住職)、23日の天皇誕生日にはおいらせ町唯円寺(葛原圭静住職)、翌年1月には七戸町一乗寺(鳥谷部隆祥住職)と続き、節分に行われる八戸市妙現寺(秋田暁瑛住職)で一連の星祭り日程を終える。
日蓮宗大荒行堂加行経験のある各僧侶による水行式では、寒風吹きすさぶ中、檀信徒が熱心にお題目を唱えながら水行を見守った。祈祷会では各家各個人の星祭り祈祷札や祈願などの読み上げと共に、厄払いを行った。中には修法師の迫力に圧倒されて泣きだしてしまう乳幼児もいた。
その後の法話では、県内の各僧侶が翌29年の九星や方位、お札やお守りの交換理由などを分かりやすく説明した。毎年熱心に法話内容をメモしている妙信寺信者の川村のぶさんは「毎年、法話を聞くことによって心構えが出来、災いに対する恐れは無くなった。特に今回は符の説明をしていただいたことによって、なぜお札やお守りを交換しなければならないのか理解出来た。来年も良い年になるように一生懸命に唱題修行に励みたい」と話していた。
2016年12月17日号
秋田 檀信徒研修会
【秋田】日蓮宗秋田県伝道会(柴田寛彦会長)主催の檀信徒研修会が12月17日、秋田ゆとり生活創造センター「遊学舎」で開催され、僧侶檀信徒約40名が参加した。
昨今、終活という言葉を目にする機会が増え、メディアでも取り上げられるなど関心が高まっている。そこで今回は、日蓮宗徒として終活をどのように捉え 、考えていくかを学ぶ為に行なわれた。
第1部では、柴田寛彦師(本澄寺住職)を講師に、「千代見草に学ぶ仏教介護と臨終行儀」と題した講演がされ、講義は心性院日遠上人の著作とされる臨終に関する書物「千代見草」を使い、現代社会に照らし合わせながら進められた。
柴田師は身近な事を例として挙げるなど分かり易く解説され、メモを走らせる檀信徒の姿が数多く見られた。
第2部では、檀信徒5、6人ずつに分かれてのグループワークが行なわれた。それぞれのグループには数人の僧侶が交じり、日頃不安に思っていることなど積極的に話し合いが行なわれた。
研修会の最後に、自ら仏となる心の修行として黙唱行が行なわれ、参加者一同、自分自身と向き合う貴重な時間となった。
全日程終了後、参加者からは「今回の研修会を通して、臨終に対する考えを改めさせられる非常にいい機会となった。またグループワークでは自分の悩みを皆で共有出来て本当に良かった。」という声が聞かれ、実り多い研修会となった。