2015年12月14日
秋田 認知症研修会
【秋田】12月14日、日蓮宗秋田県宗務所(柴田寛彦所長)主催の認知症研修会が、秋田県ゆとり生活創造センター「遊学舎」に於いて開催され、管区教師並びに檀信徒約50名が参加した。
今、秋田県では高齢化が急速に進み、今後も増加していくと予想される認知症の方について、どのように理解し、どう対応していくのかが問題となっている。そこで本研修会では様々な観点から認知症について学び、見識を深める為に講師を招き、2部にわたって行なわれた。
第1部では、仏教の立場から理解すべく、医学博士でもある村瀬正光師(名古屋市大光寺内)を講師として、認知症の基礎知識から仏教的とらえ方まで幅広く講話を聴講した。特に成仏という点について村瀬師は「認知症患者は決して特異な存在ではない。そしてどんな方であっても仏と成る種を備えている」という事の重要性を説かれ、中にはメモを取り、深く頷く檀信徒の姿も見られた。
休憩を挟み第2部では、認知症サポーター養成講座「認知症の方を地域で支える」というテーマの下、秋田市福祉保健部 長寿福祉課 地域包括ケア推進担当保健師 中村悦子氏、住谷博美氏の両名が認知症の診断方法から予防・治療・対応方法、そして認知症とその家族の人の気持ちを理解する事の大切さを繰り返し述べた。その中でも「認知症というのは、周りの人も不安に思っているが、実はそれ以上に認知症の方自身がすごく不安に感じている。それに気付いてあげる事が大切である」と話した。また、第2部の養成講座を受講した皆が認知症サポーターとなって認知症の方を励まし、応援していくことになる。 その時の目印として「オレンジリング」が全員に配布された。研修会終了後には、講師の方に直接質問をしにいく檀信徒の様子もあり、認知症に対して関心の高さが伺えた。最後に参加者からは「認知症は他人事ではなく、自分自身や家族にもなりえる事。その時にはしっかりと相手の心に寄り添って優しく声を掛けていきたい」と頼もしい声が聞かれ、認知症サポーターの一員として心強い決意がみられた。