2014年2月27日
妙了寺 福徳開運荒行祈祷祭
【山梨三】二月二十七日、南アルプス市上一之瀬の妙了寺(佐野顗誓住職)で「福徳開運荒行祈祷祭」が行われた。
「福徳」と名付けられたこの祈祷祭は、妙了寺にある徳川家祈願の「福徳稲荷大明神」に由来する。
この祈祷祭に際し、日蓮宗加行所の伝師を務めた岩手県法華寺の阿部是秀師と今年度の加行所にて荒行成満した荒行僧七名を迎え、東日本大震災の復興祈願と共に福徳祈願を盛大に行った。
この日は二月中旬の記録的な大雪の跡が残る中に小雨が降り、天候には恵まれなかったが、六十名を超える檀信徒が参列した。
残雪が高く積み重なった本堂前に、加行中の姿をそのままに七人の荒行僧が水行を行うと、その勇ましい姿に参加者たちは手を合わせ熱心に見入っていた。
その後、本堂にて佐野住職を導師に、阿部師と第三部修法師会長の安藤顗雄師を脇導師に荒行僧たちによる祈祷大法要が行われた。
法要の中盤では外陣の檀信徒を囲んでの大衆法楽を行い、さらに法要終了後には多くの希望者を内陣に入れ、特別法楽加持が行われた。
多くの参加者が荒行僧のご祈祷を受ける機会は初めてだということもあり、感激しながら「とてもご利益がありそうだ。本当にありがたい」と感想を口にしていた。
妙了寺筆頭総代の青柳勝氏は今回の祈祷祭の開催協力のお礼とともに「今回お越し頂いた阿部上人には、多額の浄財をご寄付頂き、立派な庭園を完成することが出来た。その中の池に泳ぐ鯉を見ると、六十数年前の本堂消失前の姿を思い浮かべる。阿部上人のご厚意を無にすることのないよう、今後も寺の護持発展に檀信徒一同努めていきたい」と述べた。
住職の佐野師は足元の悪い中にも参列してくれた檀信徒に感謝するとともに「今日のこの雨は、大震災の被災者の涙雨。未だ心晴れぬ被災地の人達の為にも被災地の復興を願い、祈り続けなければならない」と復興への思いを述べた。